※この記事には作品の感想(ネタバレ)が書かれておりますのでご注意ください。
軽いノリとアクション、そしてテンポの良いストーリーが魅力なメンインブラックシリーズ。
前作『メンインブラック2』ではエイリアンのキャラクターを重視し、よりコミカルな内容となり賛否が分かれた。
しかし本作『メンインブラック3』は、なかなかどうして、「感動」というスパイスを混ぜてきたのである(笑)
これは正直ずるい(笑)
パート1、パート2とコミカルで軽い感じにイメージを固めてきたので、この「感動」というスパイスはめちゃくちゃ効く。
そして、今まで疑問だったことを見事に回収し、後味のすっきりした作品に仕上がっている。
正直、パート2でテンプレートが決まってしまったと思っていたが、このパート3で完璧に盛り返してくれた。
アクションも素晴らしいし、シリーズの中で完成度は最も高いと思う。
また、観る順序はやはりパート1から観た方がよい。
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簡単なあらすじ
凶悪なエイリアン「ボリス・ジ・アニマル(吹き替えだとアニマル・ボリス)」が月面刑務所から脱獄した。
ボリスはボグロダイト星人で、様々な惑星を破壊する危険なエイリアンなのである。
そんなボリスを逮捕したのが、我らがK(トミー・リー・ジョーンズ)。
1969年にKによって逮捕されたのだが、2012年に脱獄してしまうのである。
脱獄してから最初に行うことは?当然Kへの復讐だ。
月面刑務所で知り合ったタイムトラベルを可能にするエイリアンの息子が地球にいるので、まずはそこへ向かう。
そして、片腕をふっ飛ばされた1969年にタイムスリップし、Kに復讐をするのであった。
ちょうどその頃、現代ではJとKが電話をしていた。
Kは片腕をふっ飛ばすのではなく、ちゃんと倒しておくべきだったとJに語る。
すると、空間が歪みKは消えてしまった。
つまり、ボリスが過去に戻りKを倒したのである。
これにより、現代ではKは40年前に死んだことになっていた。
直前まで、たまたまKと電話をしていたJだけは、Kの記憶が残っていたのである。
時空断裂という症状で、JだけはKの今までの記憶がしっかり残っていたのだった。
そして、Jもタイムトラベルができるエイリアンの息子に会い、1969年に向かうのであった。
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グリフィンはどんな未来を大佐にみせたのか?
本作ではグリフィンというキャラクターが味方となって活躍する。
グリフィンはアルケイナン星人であり、宇宙ユニコーンと呼ばれている。
タイムジャンプが使えるオバダイア・プライスと同様、このグリフィンも未来が見れる能力を持っていたのだ。
そして、このグリフィンはボリスの種族である凶暴なボグロダイト星人から地球を守れるアークネットを持っていた。
アークネットを使うことで、地球の周りにバリアができて、ボグロダイト星人が侵入できなくなるのだ。
しかし、このアークネットを使うには宇宙にいって起動しなければならない。
1969年にどうやって宇宙へ行くのか?
アポロ11号である。
このアポロ11号の先端にアークネットを付けることで、宇宙空間へ入った時にバリアが発動するのである。
しかし、KもJもグリフィンもアポロ11号に近づけない。
軍隊がしっかり監視しているからである。
真実を話さなければアークネットは起動しない為、JもKも本当のことを話す。
しかし、当然そんなことを真に受けるはずがない。
そこでグリフィンが軍隊の中の大佐に「未来」を見せるのである。
この未来について、具体的な描写はない。
話しの流れでいけば「地球がボグロダイト星人に侵略される未来」であろう。
グリフィンも「必要最低限の未来だけみせた」と言っている。
ただ、実はこの大佐、Jの父親だったわけである。
だからこそ、ただ地球が侵略する未来をみせたのか?ちょっと深読みしたくなる(笑)
もし、目の前にいるJが自分の子供の未来の姿であり、地球の為に活躍するというのをみせていたら?
もし、Kがボリスに倒されるところを見せていたら?
ただ、その後の大佐については、思わせぶりな行動などしていないので、単純に地球が侵略されている未来だけ見せたのだろう。
目の前に立っている男こそ、いま車の中で待たせている自分の息子だと知らせた方が面白い展開になったかもしれない。
しかし、そういった事を知らずに自分を犠牲にしてKを助けるからこそ最高のラストになるのだろう。
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中国料理のお店でのアクション
奇想天外なエイリアンとの戦いもメンインブラックシリーズの魅力だ。
今回は中盤の中国料理店のアクションが面白い。
料理に使っていた食材の魚が実はエイリアンだったのだ。
そして、それらの食材はボリスの好物だったわけである。
そんなことでバトルへ発展。
宇宙魚が入った水槽はガンガン割れ、怯えていた女店員もベロが伸びるエイリアンだったり、いつもの様にめちゃくちゃで面白い。
また、ウィルスミスのアクションも危険度が増し、極上なスリルを味わえる。
宇宙船アポロ11号でのアクション
後半では発射間近のアポロ11号の外でのバトルとなる。
高所での戦いとなり、かなりの緊張感が味わえる。
CGくささもほとんどなく、あの高さから落ちる臨場感は心臓に悪い。
そして、ボリスの動きを読む為、高い所から落ちてタイムジャンプを使うアイディアもよい。
こういった重要なアイテムは必要最低限使えばよいのである。
何度も何度もタイムジャンプ使っていたら絶対につまらなかったと思う。
このタイムジャンプの使い方は抜群に素晴らしかった。
Kが感情を捨てた理由
メンインブラックはKのキャラクター設定も魅力の一つだろう。
なぜなら、ほとんど感情をみせずに淡々を任務をこなすからである。
このKとJのコントラストが作品に奥行を持たせているだ。
しかし、Kが感情を見せないのは実は理由があった。
それがラストシーンである。
KはJの父である大佐に命を救われた。
つまり、Jの父はKを助ける為に死んでしまったのである。
だからこそ、Jの前では笑顔などを見せられないのだ。
ただ、その瞬間をみたJはKに感謝をする。
幼いJの記憶を消し「パパは英雄だ」と伝えてくれたからである。
父との記憶がないJは、父が英雄だということだけを記憶し、後に警察になるわけである。
この父の背中を実はパート1から追っていることが感動的だ。
そして、Kが執拗にボリスを始末しようとしていたのは、凶悪エイリアンで地球を襲うからではなく、Jの父の仇だからである。
Jの父の仇なのに、片腕で済ませてしまったことを「後悔」していたのだ。
それは、KにとってJが未来(現在)でかけがえのない「親友」になるからである。
つまり、パート3ではKの感情がメインテーマだったのである。
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