※この記事には作品の感想(ネタバレ)が書かれておりますのでご注意ください。

ダイハードの魅力といえば、やはり主人公ジョン・マクレーン(ブルース・ウィリス)の存在だろう。

ダイハードの意味は「しぶといヤツ」だが、まさにこの主人公はしぶとい。

しかも、ランニング姿に素足(笑)

裸足でテロリストを倒す主人公なんて今までいたか?(笑)

ガラスの破片が飛び散ろうと、足の裏を血まみれにしながら敵を追いつめていくのだ。

そんな主人公ジョン・マクレーンがクリスマスにテロリストと、たった一人で戦う物語なのである。

 

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あらすじ

クリスマスの日、ニューヨーク市警察である主人公ジョン・マクレーンは妻に合う為にロサンゼルスに向かう。

妻ホリーはキャリアウーマンであり向上心が強い。

だからこそ、頑固なマクレーンとすれ違っており別居しているのだ。

ホリーが務めるナカトミ商事でクリスマスパーティがあり、マクレーンも参加することになっていたのである。

しかし、クリスマスで手薄になっている会社のビルに、テロリストが乗り込んでくる。

テロリストの目的は「6億4千万ドルの無記名債券」。

これを奪う為、人質をとって、ビルを爆破させ、逃げる計画だったのだ。

それを阻止すべく、一人で立ち向かうジョン・マクレーンであった。

 

一流のサスペンス&一流のアクション

テロリストグループの人数、そして人質の人数も丁度よい。

そして、それぞれの中にイライラさせるキャラがいたり、怖いと感じるキャラがいたり、演出も抜群だ。

例えば、ハリー・エリスという重役は冒頭から軽薄な性格を印象付けている。

それにより、マクレーンを引き渡し自分は助かろうとするなど、視聴者のイライラを高めるキャラである。

そして、敵キャラのカールもよい演出だ。

カールはボスの右腕的な存在なのだが、弟のトニーをマクレーンに早々倒されてしまう。

これにより、カールの怒りが視聴者にも伝わり、ハラハラドキドキを倍増させてくれるのだ。

こういったサスペンス的な『仕掛け』は完璧。

また、なぜビルに立て籠もり、人質を取ったのか?などトリックもまずますである。

また、マクレーンをタンクトップと裸足にすることで、アクションへの緊張感が一層高まる。

ここで防弾チョッキなんて着てたらゲンナリだ。

この裸に近い男が、武装グループに立ち向かうこどで、アクションのクオリティが上がっているのだ。

ラストの屋上からのダイブは、タンクトップだからこそ最高なのだ(笑)

 

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細かいキャラ設定

この映画は細かい設定が素晴らしい。

テロリスト1人を見ても、細かくキャラクターを作り込んでいる。

例えば、警官と対峙するテロリストの一人は、戦う場所に着くとそこにあるチョコバーに手を出す。

今から戦いが始まるというのに、チョコバーを食べたい欲が出てくるのだ。

こんな細かい設定、他のアクション映画ではない(笑)

また、ジョン・マクレーンの足を引っ張るロス市警察本部次長ドウェイン・ロビンソン(ポール・グリーソン)。

ホテルに近づくときにバラに腕を引っかける短いシーンがある。

こういった、さりげないシーンで、この高慢な本部の人間が「間抜け」であることを印象付けている。

チョコバーや、バラの棘という、本当に細かい設定を積み上げ、コツコツ重厚なサスペンスにしているのだ。

こういった細かい演出により、人物像が明確となり、少ない時間でそれぞれの人間関係もすんなり頭に入ってくるのである。

一見サスペンスには何の影響もないような演出だが、こういうのがボディブローのようにどんどん効いてくるのだ。

 

 

黒人警官アル・パウエルが絶妙

ジョン・マクレーンの機転により、司令センターに連絡し、近くにいたアル・パウエルがホテルに向かう。

最初はテロリストが変装したフロントに騙され、帰ろうとする。

しかし、ジョン・マクレーンのとった行動により、ホテルがただ事ではないと知るのだ。

では、マクレーンがとった行動とは何か?

倒したテロリストをビルから落とすのだ(笑)

これがパトカーの上に落ちて、臨戦態勢に入るであった。

この、アル・パウエルが人情味があって素晴らしい。

1人でビル内で戦うマクレーンにとって、頼もしい相棒となるのだ。

また、このアル・パウエルの機転によってマクレーンも救われたりする。

こうしてお互い顔も分からない状態で友情が深まっていく。

事件が解決したラストでは、お互いの顔もわからないはずなのに、お互いが見つかったときは感動だ。

そして、間違えて少年を撃ってしまったトラウマを乗り越え、マクレーンがピンチの時にまた銃が撃てるようになるのである。

 

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敵キャラもいい

テロリストグループのボス、ハンス・グルーバー(アラン・リックマン)。

めちゃくちゃ紳士的で、容姿や振る舞いもカッコイイ。

しかし判断も早く、役に立たないと感じた人質を躊躇なく始末したり、冷徹なキャラクターだ。

偶然マクレーンとビル内で合ったときは、人質のフリをするなど機転も効く。

また、部下のもめごとを見事に解決したり、敵キャラとしては最高の描き方をされている。

 

まとめ

ダイハードは1988年の作品であり、30年以上前に作られた映画だ。

しかし、これを超えるアクション映画はほとんどない。

それどころか、この後に作られた作品はダイハードの影響を確実に受けていると思わされる。

それだけ「お手本」になる部分が多いのであろう。

サッカーでいうメッシの様に「日本のメッシ」という感じで比喩されるのである。

例えば、「バスの中のダイハード」と言えば『スピード』だ。

アクション映画監督にとって、この『ダイハード』は、まさにバイブルなのである。

 

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