※この記事には作品の感想(ネタバレ)が書かれておりますのでご注意ください。

日本を代表する「怪獣」であるゴジラ。

ゴジラは超ビッグネームなのだが、ボクはまだ一度もゴジラシリーズを観たことがなかった。

よって、本作『シン・ゴジラ』が生まれて初めてみるゴジラである。

ただ、恐らく昔のゴジラとはコンセプトが全然違うものと思われる。

本作『シン・ゴジラ』は、どちらかというと大人がターゲットであり、子供ウケは狙っていない。

だからこそ、難しい漢字がどんどん出てくる「字幕」という演出をし、相談→会議→決断というサイクルを繰り返すのである。

東日本大震災のメタ的な演出も多数あり、ビジュアル重視のエンタメ作品ではなく、大人向けの社会派ドラマになっているところがポイントであろう。

 

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ゴジラの形態は4つ?5つ?

本作で登場するゴジラは、4つの形態(+進化の途中)で構成されている。

第一形態

ネッシーのような、しっぽのような、魚のような・・・

これがあの恐ろしいゴジラになるなんて、まだ想像できない姿である。

 

第二形態

芋虫のような見た目である第二形態のゴジラ。

鎌田付近でこの形態となった為、「鎌田くん」と呼ばれている。

可愛い姿をしているが、その破壊力は抜群。

突進するだけでビルが崩壊されるのである。

 

第三形態

第三形態となると、ほとんど一般的なゴジラの形となる。

手がないので、体のバランスは安定しておらず、やや迫力に欠ける。

第二形態と比べると、足が生えているので移動の複雑性や、しっぽによる攻撃を行えるようになっている。

その為、電車を吹き飛ばしたり攻撃のバリエーションが広がっている。

ちなみに品川付近でこの形態となった為、「品川くん」と呼ばれている。

 

第四形態

本作では、この第四形態がゴジラの最終形態である。

第三形態に比べ、足がしっかりし、手も生えたので体のバランスがよく安定している。

移動速度は落ちているが、攻撃に「ビーム」が加わっている。

口・背中・尻尾からビームを出し、近寄る敵は瞬殺されてしまうのだ。

このビームにより閣僚がほとんど死んでしまった為「内閣総辞職ビーム」と呼ばれている。

また、鎌倉付近でこの形態となった為、「鎌倉さん」と呼ばれている。

 

第五形態(進化の途中)

こちらがラストに少しだけ出てくる第五形態である。

こはゴジラの尻尾の部分であり、人型の部位が複数集まり構成されている。

グロくて気持ち悪いデザインであるが、このまま進化するとどんなゴジラになるのか?少し興味が出てくる。

 

このまま行ってしまうと、方向性がズレてしまうので、第四形態のゴジラで十分であろう。

第五形態の全体像も作ったようであるが、作品に出てくるのはこの尻尾の部分だけである。

 

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あらすじ(想定外の自然災害と政府の対応)

東京湾にて原因不明の爆発が起こり、トンネルは崩れパニック状態となる。

日本政府は緊急会議を開くが、ほとんどの役人は想定内のことしか考えつかない。

主人公である矢口(長谷川博己)だけが巨大生物の可能性を訴えるが、誰も聞き入れないのである。

巨大生物なんて誰からみても想定外であり、そんな発想すら思いつかないのである。

これは東日本大震災の津波のメタであり、誰も想像できなかった状態への危惧である。

矢口が巨大生物の可能性に気づいた時に何か対策していれば、被害は最小限にできたかもしれない。

しかし、人間は実際に見たものや、経験しか想像できないものである。

ここが作品のメインであるとボクは思う。

ここからは、様々なカット割りでパニックを演出していく。

椅子目線でのカメラアングルは見事だし、慌ただしさや、政府のパニックが見事に表現されている。

 

字幕の乱立、早口で話す理由

本作はとにかく字幕が多い。

登場人物や、兵器、作戦名など字幕で表現される。

しかも、その字幕もすぐに消えてしまうので、基本的に覚えてられない(笑)

また、登場人物の会話も意図的に早くしている。

つまり、固有名詞がほとんど覚えられないスピートで解説されるのである。

なぜ、字幕で表示するほどの内容をすぐに消してしまうのか?

その答えは、重要でないからである。

そう、本作では登場人物や専門用語がたくさんでてくる。

しかし、それを1つ1つ覚える必要はないのだ。

なぜなら、全員で立ち向かっていくからである。

恐らく、監督の伝えたいメッセージが、困難に対する答えなのではないか?

それは、自然災害などの困難が訪れた場合、みんなで知恵を振り絞り解決していこうという意図があると思われる。

だからこそ入念に会議をし、たくさんの人物を登場させ、困難を乗り越えていくのだ。

掃除のおばさんは、おにぎりを作り、1人1人ができることをやるのである。

よって、本作では個人的なヒーローはいない。

登場人物全員が知恵を絞り、問題解決に努めていくのだ。

総理自身も「個」を消しさり、問題解決に向けて集団に交わるのである。

 

ゴジラの攻撃力は笑った

今回、ゴジラを始めてみたが攻撃力が凄い(笑)

なんだあのビームは!!

あんなの反則である。

デザインもグロくて、イメージとは全然違うものだった。

ゴジラを下から写していくカメラアングルは凄いセンスだ。

そして、最後は重機によって血液凝固剤を注入されて朽ち果てる・・・

物理的なド迫力な攻撃ではなく、ゴジラの体に注ぎ込むという地味な攻撃が最高。

監督や製作者のセンスが光る映画となっていて、ゴジラというメタに対する対策のリアリティが本格的で素晴らしかった。

 

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