※この記事には作品の感想(ネタバレ)が書かれておりますのでご注意ください。
音を立てたとたんエイリアンが襲ってくるという非常にユニークなアイディアのホラー映画『クワイエットプレイス』。
このエイリアンがどういった経緯で地球に来たのか?
また、政府や軍隊との戦いなどは描かれていない。
1つの家族のみが描かれ、どう生き残るか?がメインに表現されている。
この家族というのが、冒頭では夫・妻・長女・長男・次男という構成。
しかし、エイリアンの性質を表現するため、冒頭で幼い次男が餌食にされてしまう。
次男はおもちゃの飛行機を誤って起動させてしまい、その音に反応して得体のしれないエイリアンに襲われてしまうのだ。
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そのまま観ても、メタを考えても面白い
本作『クワイエットプレイス』はそのまま観ると、少し矛盾を感じるシーンが多い。
例えば、エイリアン襲撃後に子供を作ろうとする主人夫婦。
音に反応して襲ってくるエイリアンがうようよいるのに、なぜ子供を作ろうと思ったのか?
まず、赤ちゃんが泣いたら一発でアウトである。
その他にもお産する時に声を出さないのも不可能であろう。
この矛盾に対してどう感じるか?が本作のポイントである。
そのまま受け取ると、まったくリアリティのない作品に映るはずだ。
また、お産間近の妻を残して、魚釣りにいく夫も矛盾満点だ。
食糧の備蓄もまだまだあるにもかかわらず・・・
ホラー映画だからしょうがない?
色々考えられるが、本作の主人公はエミリー・ブラントとジョン・パーク・クラシンスキー。
この2人、実は本当の夫婦である。
このようなホラー作品に出演したのも、何か意図があってのことであろう。
「音を立てたら即死」というキャッチフレーズには、現代社会の音に関する様々な問題をメタにしているのかもしれない。
隣人による騒音、電車の中でのマナー、他にも音による問題はだんだん深刻となっている。
ただ、単純に設定自体は面白いので、それほど深く考えなくても楽しめる作品となっている。
家族によるサバイバルストーリー
本作は1つの家族が協力して力強く生きるサバイバル映画として観るのが一番楽しめる。
親の不注意で子供を亡くした過去、そして、それを自分のせいだと思い込んでしまう聴覚障害の長女リーガン。
このリーガンと手話で意思を伝えあう所が見どころの一つだ。
怪物の正体は?
音には敏感であるが、本作の怪物(エイリアン)は目が見えないという設定。
また、自然音は認識しており、その音よりも小さな音であれば問題ないという少しややこしい判定基準。
海辺などなら安全なのか?などなど色々考えてしまう(笑)
また、スピーカーに爆弾を仕掛けておいて音を鳴らせてドカン!でも倒せるほど弱い感じがする。
最終的に「音の周波数」が弱点であったのだが、それなら偶然開催していたロックコンサートの会場でも倒せていた可能性が高い(笑)
この辺のあやふやさが少し評価を下げていると思われるが、まぁ、基本的にはホラー映画なので細かい点を突っ込むのは野暮である(笑)
ホラー映画最大の要素であるハラハラドキドキ感は十分に味わうことが出来るので、迷っている方は観ても時間の損にはならないと思われる。
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