※この記事には作品の感想(ネタバレ)が書かれておりますのでご注意ください。

カメレオンが見栄を張るためのウソにより、砂漠の町の保安官となって活躍するというユニークな設定が『ランゴ』の魅力である。

ウソがどんどん膨らみ、町の人々は期待し、後に引けなくなってしまう。

そんな主人公ランゴだが、最初は運よく誤魔化せてしまう辺りが面白い。

しかし、運によって切り抜けられたウソも、『本物』に出会うと太刀打ちできなくなってしまう。

この辺は人生に似ていて、素晴らしい演出となっている。

どんなジャンルにせよ、まずは根拠のない自信から始まるものだ。

最初の方は運で切り抜けられる。

しかし、ある時「壁役」が現れるものだ。

その壁に対して、自信を失い可能性の道を諦めていくのだ。

この辺をリアルに描きつつ、その解決方法までも教えてくれるのが『ランゴ』だ。

 

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あらすじ

元々は人間のペットだったカメレオンのランゴ。

ある時、飼い主が車で移動中に、カメレオンが入っている水槽ごと誤って外に放り出されてしまうのだ。

その放り出されてしまった場所は、なんと砂漠。

そこで、様々な生き物に出会いつつ、砂漠の町ダートタウンに辿り着くのであった。

「よそ者」として、みんなにからかわれるカメレオン。

ここで見栄を張り、ウソの武勇伝を語るのであった。

すると、その場にいた者はみんなランゴの話を信じ、有名になってしまうのだ。

その際、町を襲うタカを迎撃したり、運よくことが進んでいく。

そして、ついには町の保安官となり、みんなの期待を背負うのであった。

そんな中、砂漠にすむ生き物の「命」ともいうべき「水」の問題が生じる。

 

ウソがバレたランゴ

保安官として水の問題に取り組むランゴ。

数名の仲間と調査を進めるのであった。

しかし、水を見つけることはできなかった。

町に戻ったランゴを待っていたのは「死神ジェイク」という巨大な蛇だった。

この蛇は「本物」であり、さすがのランゴもジェイクの前ではウソをつく気さえ起らなかった。

そして、すべてのウソがバレしまうのである。

 

あなたは一体誰なの?

武勇伝のウソがバレ、町の皆からブーイングされるランゴ。

ヒロインであるマメータから「あなたは一体誰なの?」と強烈な一言を言われてしまう。

そこで、意気消沈し町を出ていくランゴ。

壁にぶつかってしまったのである。

恥かしくて、もう二度と町には戻れない。

諦めかけるのだが、水不足の黒幕がわかり、町の仲間のためにもう一度ヒーローを目指すのであった。

 

ジェイクが認めた気迫

並ならぬ覚悟で戻ってきたランゴ。

水不足の黒幕である町長を倒し、再び水を取り戻そうとするのである。

そして、再びジェイクの前に立つランゴ。

前回のように、信念のない目ではなかった。

町を救うという覚悟の目により、本物であるジェイクも戦いを避けるのであった。

これにより、町長の陰謀から町を救ったランゴ。

再び立ち上がるために必要だったものは「覚悟と信念」であった。

この「覚悟と信念」があれば人生なんて何度でもやり直せる、と教えてくれる映画である。

 

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