※この記事には作品の感想(ネタバレ)が書かれておりますのでご注意ください。

小惑星の衝突によるパニックを描く『アルマゲドン』。

同じテーマである『ディープインパクト』は、ほぼ同時期に上映された。

この2つの作品はテーマが同じだけあって比較されがちであるが、メインとなるコンセプトはやはり異なる。

『アルマゲドン』はエンターテイメント色が強く、とにかくパニック・ハプニング・感動の畳み掛けという感じに仕上がっている。

『ザ・ロック』で確かな腕を見せつけたマイケル・ベイ監督のわかりやすい爆発・ドンチャン騒ぎが見どころだ。

逆に『ディープインパクト』は地球滅亡に直面した人類の本質をドラマチックに描いている。

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爆発・ドンチャン騒ぎは少なめであり、それまでの人間ドラマがメインで展開される。

よって、エンターテイメント的なパニックアクション映画が観たいのであれば『アルマゲドン』。

地球滅亡のカウントダウンに対して、人間はどんな行動を起こすのかが観たければ『ディープインパクト』。

また、とにかく大迫力のディザスタームービーを求めるのであれば『2012』。

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ただ、『ディープインパクト』も『2012』も基本的にはシリアスなので、精神的にも少し疲れてしまう可能性が高い。

よって、家族や恋人と観るのであれば『アルマゲドン』がオススメだ。

 

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あらすじ

テキサス州ほどの大きさの小惑星が地球に衝突することが判明する。

もし、この小惑星が地球に落ちてきたら、人類は終焉を迎える。

衝突の熱により、海の温度が上昇し、その津波によってほとんどの人間が焼け死んでしまうのだ。

そして、もし生き残ったとしても、衝突の時に生じた灰によって太陽が遮られ、氷河期に突入する。

よって、残された道は小惑星を破壊するしかないのである。

人類が持つ最も強い兵器である核爆弾によって小惑星を破壊する計画を立てるが、そこには一つの問題があった。

小惑星の表面で核爆弾を使っても、その表面しか破壊できないということだ。

小惑星を破壊する為には、その惑星のなるべく中心部に核爆弾をセットし、中から破壊しなければいけないのである。

このスターウォーズ一作目のようなミッションに対してアメリカ防衛省はお手上げである。

なぜなら、惑星を彫り上げるような技術がないからだ。

そこで、今回のミッションに必要なのが世界トップクラスの「穴掘りのプロ」である。

つまり石油採掘チームだ。

世界トップレベルの石油採掘チームであれば、小惑星に穴が開けられる。

よって、このチームを探し出し、宇宙へ飛び立たせようと計画するのであった。

かなりエンタメ寄りな設定であるが、地球を救うチームが宇宙飛行士ではなく石油採掘チームという点がヒットの要因であろう。

頭カチカチの宇宙パイロットではなく、前科も何でもある、クセの強い集団だからこそ面白いのだ。

 

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父と娘、そして父と婿

 

一言でいうと家族愛がテーマなのだが、やはりブルース・ウィリスは不器用な父親キャラがよく似合う。

そして、娘役であるリヴ・タイラーも丁度良い年頃でいい感じ。

また、採掘チームの部下であり、リヴ・タイラーの恋人役であるベン・アフレックも良い。

この3人の関係性で物語を引っ張っていく。

また、マイケルベイ監督が得意とするハプニングに次ぐハプニングによって、ハラハラ・ドキドキの波が怒涛のように押し寄せてくる。

 

ラストシーンこそハリウッドの王道

ラストは何となく予想通りだが、これがハリウッドの王道。

父の犠牲によって救われた人類。

そして、無事に帰還した恋人と結婚する娘。

この結婚式のラストシーンで締めくくり、家族愛は完成するのである。

これだけのキャストと予算なので、このわかりやすい王道が正解なのだ。

作品としての評価は物議を呼んだが、興業収入も非常に良く、名作と言える映画である。

 

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