映画「ゲットアウト」の感想・ネタバレ（83点）ホラーが苦手でも大丈夫？怖い？リアルな恐怖が体験できる作品

※この記事には作品の感想（ネタバレ）が書かれておりますのでご注意ください。

ゲットアウトはホラー映画なのか？非常に難しい問題だ。

ホラーが土台となっているが、惨殺シーンや血まみれになるようなシーンは少ない。

それよりも怖いのが、やはり人間のエゴだろう。

この映画では『人間のエゴ』が生み出す怖さを強調している。

しかも、めちゃくちゃリアルに描かれていて、「これ、本当にある話じゃない？」と思ってしまうほど背筋が寒くなるのである。

そして、そこに人種差別も混ぜ合わせてくるので、ただのホラー映画ではないことだけは間違いない。

ホラー的の要素、そして人種差別的な要素で、気分が悪くなる人もいるかもしれないが、後半までは大きな展開もなく、静かな『違和感』を楽しむことができると思う。

この映画はネタバレ前に観た方が絶対に楽しめるので、まだ観ていない方は最後まで作品を観てから続きを読んでみてほしい。

あらすじと感想

主人公の黒人カメラマンであるクリス。

そして、その恋人であるローズ。

ある日、ローズの家へ挨拶に行くことになったクリス。

2人で車に乗り、ローズの家へと向かうのであった。

そして、ローズの家へいくとビックリ。

大豪邸であり、使用人もいるではないか！？

ここで視聴者は「いったい何でこんなに裕福なのか？」という疑問が刷り込まれる。

ただ、その使用人の2人は黒人であり、少し不思議な感じがする。

使用人の一人、黒人女性ジョージナは常に鏡をみて自分に見とれている。

そして、もう一人の使用人である黒人男性ウォルターは夜に全力で走る運動などをしている。

何かがおかしい・・・

そして、皆がクリスの健康状態を気にする。

タバコを止めさせたり、格闘技について尋ねたり、健康状態や、身体能力に興味があるようだ。

そんな中、ローズの母ミッシーはクリスに催眠術をかける。

タバコを止めさせる為である。（それだけではないが）

そして、次の日になるとパーティーが開催された。

白人だらけのパーティーで皆クリスに興味があるよう。

クリスの肉体や健康状態などをやはり皆気にしているのである。

この辺からじわじわホラー的な展開となる。

クリスが部屋へいっている間、何やらローズの父を中心に競売をしている。

それはクリスを競売しているのである。

また、クリスもローズの部屋で元彼らしい写真を数枚見つける。

そこには何と、すべて黒人の彼であった。

つまり、ローズは意図的に黒人と付き合い、自宅へ招待していたのである。

その目的は、黒人の肉体に買主の脳を移植し、強靭な肉体と健康を手に入れる為だったのである。

ローズの父は、その手術をして莫大な資産を作り上げていたのである。

そして、自分の容姿を気にする使用人の黒人女性ジョージナは、なんとローズの祖母。

そして、夜中に走り回る黒人男性の使用人ウォルターは、ローズの祖父だったのだ。

二人とも、年老いた体を捨て、脳の手術によって黒人の強靭な肉体を手に入れたのである。

ローズはターゲットとなる黒人を誘いだす役割。

弟のジェレミーは各種サポート。

父のディーンは競売と手術。

母のミッシーは催眠誘導。

この一家が協力し合い、ターゲットと買主を結び付けていたのだ。

この状態を主人公のクリスが一人で立ち向かっていくのである。

白人が黒人を買う、という非常にデリケートな問題を含み、人種差別も盛り込んだ作品だ。

根強い差別を強調したいという監督の想いもあったようで、ホラー映画の枠を超えた作品でもある。

（ちなみに監督のジョーダン・ピールは、コメディ出身）

本作『ゲットアウト』が気に入った人は、恐らく『エスター』も楽しめると思う。

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そして、ホラー映画の金字塔である『シャイニング』も是非チェックしてほしい。

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