※この記事には作品の感想(ネタバレ)が書かれておりますのでご注意ください。
こういったマジック系サスペンスは少し気の毒な点がある。
まず『意外性のある犯人』が重要になるので、視聴者も最も意外性のある人物に注目して観てしまうのだ。
さて、今回の『グランド・イリュージョン』。
犯人捜しというより、裏で操る人物を探す作品である。
腕のあるマジシャンを集め、様々な計画を実行させていく。
その裏で操るのが「アイ」と呼ばれる組織だ。
ピラミッドの時代からマジックを作り上げた伝説的な組織なのである。
マジシャンにとって、その「アイ」から声がかかることは名誉なのである。
よって、この主人公である4人のマジシャンは「アイ」の指示に動くようになる。
また、なぜ本物の「アイ」なのか?という疑問は、4人が集まった部屋での光の仕掛けなのであろう。
恐らく近代マジックの技術ではできないような光の仕掛けに、本物の「アイ」だと4人は確信したのである。
そして、4人を集めた1人の人物が誰なのか?これが本作の見どころである。
冒頭から登場するが、その時はフードをかぶっていて、誰だかわからない。
『近づけば近づくほど逆に見えなくなる』という台詞がでてくるので、かなり限られてくるのは確かだ。
そして、4人は『フォースメン』というグループ名で活動し、驚きのマジックを繰り広げるのであった。
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犯人「アイ」の目的は何か?
※ここからネタバレになります。
まず4人を操っていた人物はFBIのディラン・ローズ(マーク・ラファロ)。
じっと4人を追い続けていたFBIの特別捜査官が犯人だったのである。
「あり」か「なし」かで言ったら「あり」だが、ちょっと矛盾するシーンも多い(笑)
というより、FBIという立場を使い4人をうまく誘導するようなことはなく、本当に追い詰めていくような描写しかない。
その結果、いつもヘマというより出し抜かれてしまうのだ。
ルパン3世で言うと、銭形警部が犯人のようなものだ。
銭形警部はウソ偽りなく犯人を追いつめる。
この作品のディラン・ローズもまた、ウソ偽りなく犯人を追いかけるのである。
これは結構ギリギリのラインであり、「だからあのシーンがあったのか!」というようなヒントはほとんどない。
なので、ぶっちゃけこれはズルイ(笑)
ディラン・ローズの目的は?
なぜこの様な犯行をしたのか?
それは、逆恨みだ。
ディランの父もマジシャンであったが、サディアス・ブラッドリー(モーガン・フリーマン)にネタバレをされ、誰も見抜けないような脱出マジックを行うが、うまく金庫が作動せず失敗し死んでしまう。
そして、保険会社も結局お金を出さなかったのだ。
よって、この事件にかかわる人物・会社に対して、フォースメンを使って復讐したのである。
復讐は見事に果たしたが、ちょっと動機が厳しくないか?
タネを明かしてくれるマジックもある!
この映画の見どころは、フォースメンが行うマジックのタネを解説してくれることであろう。
その種明かしをするのがモーガンフリーマンなのだから贅沢だ。
「なるほど」と思うトリックもあるが、ちょっと無理があるなぁ~と思うトリックもある。(銀行の鏡のトリックなど)
さらに、種明かしをしない物もある。
保険会社の社長の口座から被害者の口座へ振り込まれるマジック。
これはさすがに無理だろう^^
なので、タネ明かしのないマジックも多々あり、それは恐らく物語を進める為、強引にマジックとして展開されたのだろう。
そこは少し残念でもある。
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