※この記事には作品の感想(ネタバレ)が書かれておりますのでご注意ください。
『着信アリ』の成功は「自分の身にも起こるかもしれない」という臨場感であろう。
携帯電話の普及率が急激に上がっている時期であり、誰もが持っている身近なアイテムを使うことで、恐怖が倍増するのである。
さすが秋元康さんである(笑)
物語のコンセプトは「死の予告電話」。
未来の自分から電話がかかってきて、その時刻になると謎の死をとげるのである。
そして、次はその電話の連絡先に登録されている人物へかかっていくのだ。
こうして、謎の死の予告がどんどん広がっていくのである。
なぜ、このような現象が起こるのか?主人公たちが謎を解明していくのである。
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電話の元凶は誰?
謎の「死の予告電話」が友達にもかかってきてしまい、なんとか回避させようとする主人公の中村由美(柴咲コウ)。
目の前で起こった同級生ケンジの謎の死を思い出し手がかりを探すのであった。
そして思い出されたのが喘息の吸入器の音。
ケンジが予告電話を受けてから、謎の死をとげた時に喘息の吸入器の音がしたのである。
つまり、その音が関係するのだと推理したのであった。
そして、同じく予告電話の被害にあった妹を持つ山下弘(堤真一)。
2人は行動を共にするようになり、山下の妹が務めていた児童相談所に手がかりを求めに行くのであった。
そこで、たどり着いたのが児童相談所の中で喘息で亡くなった子、水沼美々子であった。
そして、その美々子の妹である奈々子も虐待によって病院や施設に預けられていたのです。
しかし、不思議なのは母が本当に心配そうに看病していること。
虐待をしながら、なぜこんなに本気で心配できるのか?
主人公である中村由美は、小さい頃に同じような体験を受けており、代理ミュンヒハウゼン症候群だと気付くのだった。
この病気は、良き母と周りに認められる為に、自分で傷つけ自分で看病するのである。
謎が解けた2人は、この母、水沼マリエを探すのである。
しかし、どこにもいない・・・
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元凶は母ではなく美々子
水沼マリエを探す為に、水沼家族がよく通っていた病院にいくことにする。
通っていた当時の病院は古く老朽化している建物であった。
夜になってしまったのだが、1人で手がかりを見つけに行く中村由美。
(この辺の強引な展開は改善の余地があったと思われる)
夜の病院・・・
いよいよクライマックスだ(笑)
ここでの展開はリアリティのない怪奇現象。
さらに水沼マリエの遺体が見つかったりする。
その水沼マリエが持っていた携帯電話を破壊して一件落着、に見えたが、後日水沼家でみつけたビデオテープをみて愕然とする。
なんと、奈々子を虐待していたのは姉である美々子だったのだ。
その事実をしった母マリエは、喘息で苦しむ美々子を介抱せず、奈々子をつれて逃げ出すのであった。
つまり、喘息で苦しむ自分を見捨てた美々子の怨念が元凶だったのである。
少し強引すぎる?
全体的にゴリ押感が結構ある。
夜に一人で廃病院に行ってしまう主人公や、喘息の吸入器の音だけでドンピシャ該当者を当てたり。
また、美々子がなぜ携帯電話で予告をしながら死なせていくのか?についての詳しい描写がほとんどない。
マリエを呪い殺し、そのマリエが持っていた携帯電話に登録されている児童相談所に務めていた山下の妹に矛先が向かう。
それほど呪いが強いということなのか?
そこまで母を憎んでいたのなら母の携帯内に登録されている人オンリーにすれば、まだ辻褄が合う(笑)
この美々子の動機と携帯電話の関連性があれば、歴史に残るようなホラー映画になっていたかもしれない。
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