※この記事には作品の感想(ネタバレ)が書かれておりますのでご注意ください。
トウモロコシは、かなり高く育つので、かくれんぼには最適だ。
近所にトウモロコシ畑があったら、ぜひ近づいて見てほしい。
あの中で遊ぶのは本当に最高だ。(ただし、他人の畑に入るのは当然不法侵入になります^^)
そんなトウモロコシ畑を神秘的な空間にしたのがフィールド・オブ・ドリームスだ。
トウモロコシ畑の中から、すでに亡くなっている野球選手が出てくるのだ。
トウモロコシ畑から、人間がすっと出てくる感じは本当に自然で、実際にありそうなのだが、恐怖ではなく優しい感じがするところが素晴らしい。
これが鏡の中から出てきたのでは、ホラー映画となってしまう。
トウモロコシ畑から亡くなった人間が出てくるアイディアで、すでに勝利している。
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フィールド・オブ・ドリームスのあらすじと感想
主人公のレイ(ケビン・コスナー)は、ある日謎の声を聞く。
「それを造れば、彼が来る」
それを何度も聞くうちに、トウモロコシ畑の中に野球グラウンドの幻影をみることになる。
そういったヒントから、トウモロコシ畑に野球グラウンドを作れば何かが起こると確信する。
レイには借金もあり、食べていくのも大変だったが、妻を説得しグラウンド作りを目指す。
この妻を説得のシーンがボクは大好きだ。
30代も半ばになると「挑戦しなかった後悔」が押し寄せてくる。
レイの父は何も挑戦しないまま亡くなってしまった。
自分は挑戦しないまま死んでいきたくはない、という事を力説するのである。
ここは、中年がグッとくるところだろう。
そして、貯金を切り崩し球場を建てる。
しかし、いざ球場が出来上がっても何も起こらない・・・
いよいよ球場の維持が難しくなった時、レイと妻は喧嘩してしまう。
しかし、娘のカリンが気づくのである。
ドランドに野球選手がいることを・・・
ノスタルジックファンタジー映画
球場にいたのは、すでに他界しているはずのジョー・ジャクソン。
ここでファンタジー映画であることが確立される。
しかし、怪物が出てくるような現実離れしたファンタジーではなく、丁度良いおとぎ話なのが不屈の名作だと言われるゆえんだろう。
球場に現れ、レイと野球を行うジョー。
「やっぱり野球はいい」
ここにシビれるのである。
「ここは天国か?」とレイに問うジョー。
しかし、レイは答えるのである。
「ここは、アイオアさ」
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出演者が全員魅力的
主人公のケビン・コスナーをはじめ、この映画は出演者が全員魅力的だ。
妻のアニー(エイミー・マディガン)は、途方もないレイの夢を応援する。球場の維持もギリギリまで待ってくれる。
この様な妻を持てたら幸せだ(笑)
そして、ジョー・ジャクソン(レイ・リオッタ)も渋くてかっこいい。
テレンス・マン(ジェームズ・アール・ジョーンズ)の魅力もこの映画を支えている。
また、どんどん出てくる名選手達もよい。
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琴線に触れるシーンが盛りだくさん
ラストに近づくにつれ、怒涛のように涙腺を壊される(笑)
娘(カリン)が客席の上部から落ちてしまった時、アーチーが選手の夢を捨てて助けてくれたシーン。
あ~、ここに繋がるのか。と心が震えるのである。
さらに、テレンス・マンは選手たちに誘われ、トウモロコシの中へ行くことになる。
これにより、本をまた書こうという意欲が湧いてくる。
つまり、「彼の痛みを癒せ」もレイは叶えたのである。
名選手達が集まる球場、そしてテレンス・マンの傷を癒したハッピーで幕を閉じる。
と思っていたら、もう一つおまけがあった。
選手たちがトウモロコシ畑に帰る中、キャッチャーの一人が遅れていた。
そのキャッチャーは、なんと若かりし日のレイの父だったのである。
「それを造れば、彼が来る」
『彼』とは、レイの父だったのだ。
和解できないまま父が他界したことをずっと後悔していたレイ。
そんな父でキャッチボールするシーンは泣ける。
そして、父は言うのである。
「ここは天国か?」
レイは答える、
「いや、アイオアだよ。」
そして、父はこういう。
「アイオア?ここま間違いなく天国だ」
さらにレイは続ける。
「天国ってあるの?」
そして父は答える。
「あるよ。夢がかなう場所さ」
レイは言う。
「じぁ、ここは天国だね。」
見事なラストだ。
30年経ったいまでも、心にしみるノスタルジックファンタジー映画。
その最高峰がフィールド・オブ・ドリームスなのである。
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