※この記事には作品の感想(ネタバレ)が書かれておりますのでご注意ください。

『ダークナイト』と言うと、みんな「ヒースレジャーのジョーカーの狂気が最高」と言う。

まぁ、もちろんヒースレジャーは最高だ。

あんな狂気的なキャラを作り上げるには、相当な研究や努力が必要になるだろう。

しかし、演出と脚本があるわけで、それならジャック・ニコルソンが狂気の元祖であるし、全員「ヒース、ヒース」叫ぶ傾向に少しうんざりしてしまう。

建物の爆破シーンなんかが、今回のジョーカーの見せ場だが、監督や演出家との緻密な打ち合わせがあったわけで、あれをヒースのアドリブだと思っている人も多いのではないかと心配してしまう。

ただ、ここまでジョーカーを作り上げたのは紛れもない才能だし、「ジョーカーを完成させた男」として永遠に語り継がれるのは間違いない。

ヒースを否定したいのではなく、何でも「ヒース、ヒース」という右向け右的な考え方に違和感を持ってしまうのだ。

 

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闇を引き出すジョーカー

 

さて、物語の方は正義感の強い地方検事ハービー・デントが強力なスパイスとなる。

法の外で治安を守るバットマン。

法の中で治安を守るハービー。

この対比によりストーリに深みがでて、バットマンの立場という視点で進んでいく。

マフィアなどの利害関係から、バットマンがいることで、逆に治安が悪くなるという世論にも発展し、ヒーロー(自警団)としての在り方に悩むようになるのである。

そういった世論をコントロールし、人間の「悪」の面を引き出すことに快楽を覚えるのがジョーカーだ。

ジョーカーは、正義感の強い地方検事ハービーを罠にはめ、ダークサイドに落とそうとするのである。

この他にも、一般人が乗る舟と、囚人が乗る舟に爆弾を仕掛け、お互いの船にスイッチを持たせ、片方を爆破させれば助かるというゲームを仕掛ける。

片方の船を爆破させれば、乗っている舟は助かるのである。

自分たちが助かる為には、相手の船を爆破させなければならない。

人間の奥にある闇を引き出そうするジョーカーであった。

 

評価が分かれる作品

今回のダークナイトは、基本的に評価が高い。

バットマンという世界観に対して、ファンと作り手の理想が噛みあったのだと思う。

ただ、このダークなヒーローバットマンと、変わり者の悪役ジョーカーの世界観が合わない人もいることだろう。

リアリティとファンタジーのバランスに面食らうと、なかなか好きになれないシリーズではある。

「バットマン フォーエヴァー」や「バットマン&ロビン」などは、完全なエンターテイメント映画なので理屈抜きで楽しめるが、ダークナイトは結構シリアスな世界観なので苦手という人も多いと思う。

ただ、アクションシーンや建物1棟破壊してしまう爆発シーンは、言葉を失うほど圧巻だ。

 

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