※この記事には作品の感想(ネタバレ)が書かれておりますのでご注意ください。
スピルバーグ×トムクルーズというコンビがおくるパニックアクション映画の超大作。
未来を描いたマイノリティリポートでもコンビを組み、フィーリングが合ったのか、今回の「宇宙戦争」でも2人の才能が楽しめる内容になっている。
そして、実はこの作品は1953年に映画化されたもののリメイク作品となる。
50年以上も前の作品であるため、話自体には「新しさ」はない。
現代的なサスペンスの要素も、ユーモアも、おしゃれな感じも、一切排除されている。
根本的なテーマは「パニック」ただ一つ。
だからこそ、人によっては、すぐに飽きる(と思う)。
しかし、その分「パニック」だけにフォーカスされており、人間が恐怖を感じるのはいつの時代も同じであることを教えてくれる作品であり、そこに見応えを感じることができれば十分楽しめるのだ。
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宇宙戦争の内容と結末
宇宙戦争は、そのタイトル通り宇宙人との戦いだ。
ある日、とつぜん空が雲に覆われ、凄まじい音の雷が何度も落ちる。
トムクルーズの家の近くにも雷が落ち、見に行くと、その雷によって道路が陥没していた。
すでに人だかりができていて、陥没した場所に注目が集まっていた。
間もなくすると、タコ足型の機械のような宇宙人が突如攻撃開始!
ここから怒涛の如く、パニックアクションが続く。
宇宙人は「エイリアン」のような魅力ある系ではなく、どちらかというとフィギュアにもならないような魅力のない容姿だ。
ただ、その強さといったら半端じゃない。
なんせ、攻撃がはじまると人間は瞬時に粉々になってしまう。
粉々になった人間の灰をかぶり、真っ白になったトムクルーズを観て「こりゃ強すぎるな」と視聴者はすぐに理解することができる。
ここからは、とにかく逃げるだけの展開になる。
トムクルーズがいかにして宇宙人を倒すのか?それを考える時間が始まる。
「これだけ逃げても最後になにか弱みを見つけて倒すのだろう」
「最初に登場した、貨物クレーンを運転する技術を活かして倒すのか?」
パニックで逃げる中、トムクルーズがどうやってヒーローになるのかを視聴者は考える。
しかし、時間がどんどん進んでも逆転する気配は感じられない・・・
「あれ?あと10分くらいしかないぞ・・・」
「パート2に続くのか?」
これらの予想を見事に裏切り、トムクルーズが宇宙人をやっける映画ではないことをラスト5分で悟る。
そう、ひたすら逃げ続けるだけの映画なのだ。
そして、オチはというと、宇宙人にとって地球の酸素がお口に合わなかったという究極のコメディとして幕を閉じる。
作品中に最もパニックになったのはラスト5分の視聴者だった・・・
とにかくパニックを味わう映画
このようにストーリー自体はシンプルだ。
強すぎる宇宙人に対して、ハラハラドキドキしながら切り抜けるのを楽しむ。
そんな逃げるトムクルーズとは裏腹に、輝きをみせるのが娘役のダコタ・ファニングだ。
この子のおかげでパニックの度数が2倍にも3倍にもなった。
パニックの『通訳』をしてくれる重要な役であり、作品中に共演者の中で最も実力を見せつけたのではないだろうか?
また、スピルバーグも得意の「密室の中のかくれんぼ」を展開し、宇宙人の「動」と「静」を見事に使い分けている。
「とにかくパニックを味わいたい!」という方にはオススメの作品だ。
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