※この記事には作品の感想(ネタバレ)が書かれておりますのでご注意ください。
「2分先の未来が知れたら?」
非常に面白いテーマである。
色々な展開ができるが、本作『ネクスト』はサスペンスをメインに展開する。
核兵器を持つテロリストをどうやって解決しているのか?
そんな映画だと思っていたら・・・
なんともう一つのテーマが・・・
それがラブストーリー!
えぇ、別にラブストーリーを展開しても問題はないですよ、しかし『ネクスト』では、こんなに美味しいアイディアがあるのに、ラブストーリーをメインに描いてしまっている。
歴史に残るような極上のSFサスペンスに仕上げる材料はあるのに、あまりにももったいない・・・
よって、サスペンスもラブストーリーも実に中途半端で消化不良となってしまう作品なのである。
スポンサーリンク
あらすじ
自分の未来を2分先まで知ることができる主人公クリス・ジョンソン(ニコラス・ケイジ)。
普段はその能力を隠しながら、マジシャンとしてギャラをもらい、そのお金をカジノで少しずつ増やしている。
2分先がわかるので勝つことは容易である。
しかし、大きく勝ち過ぎるとバレてしまうので、あくまでも小さくコツコツ稼いでいるのだ。
そんなある日、カジノに強盗に来た男を能力で察知し、取り押さえ未然に防ぐのであるが、逆に自分がカジノ側から追われてしまう。
この辺で「2分後がわかるなら、もっと良い解決方法があったのでは?」と思ってしまう。
そこから、カジノ側の警備員との追いかけあいが始まるのだが、ここでは2分先が読めるので、効率的に逃げていく。
そして、逃げた先が友人アーヴ(ピーター・フォーク)。
ピーター・フォーク、そう刑事コロンボだ(笑)
友人アーヴはクリスの能力を知っているようで、よき理解者的なキャラである。
ここからピーター・フォークとコンビを組んで、サスペンスを展開していくのかと思いきや、ピーター・フォークはこの先出てこない。
なんだ、このちょい役は(笑)
そして、核兵器を持ったテロリストがロサンゼルスにいる情報を得たFBIが、クリスの予知能力の力を借りようとする話になる。
しかし、クリスはそんな事どうでもよく、夢でちょくちょく見るヒロインに夢中なのだ。
彼女の未来は先まで見れる
ヒロインはリズ・クーパー(ジェシカ・ビール)。
なぜかクリスはリズの夢ばかりみるのである。
そして、なぜかリズのことはずっと先のことまで読めるのである。
まぁ、この辺でルールが崩壊していく。
自分の事は2分先しか読めないが、愛する人なら結構先まで読めるという展開だ。
この能力が、本作の重要なラストのオチとなるのだが、これは少し強引すぎないか?
2分先だけでいいじゃない?と思ってしまう。
これを有りにしちゃったら、もう話がめちゃくちゃだ。
スポンサーリンク
予知の中で予知をする矛盾のラスト
テロリストの人質に取られてしまったリズ。
そのリズを助ける為に渋っていたがFBIに協力することにしたクリス。
得意の2分先を読み、どんどんテロリストを倒していく。
そして、バトルはエスカレートして行きクリスは最終奥義を使う。
それは、2分先を読む2分先の自分である。
分身の術のように、2分先の自分をどんどん出し、何が最善か?を選択していく。
これにより、無事にテロリストを倒すのであった。
しかし、なんとそれは罠だったのだ。
結局核兵器は爆発して、クリスもリズも吹き飛ばされるのである・・・
という彼女の未来の夢を見るクリス。
つまり、予知の中で、さらに予知を見ていたわけである。
夢の中で、夢を見ているようなものだ。
あの分身の術は一体なんだったのか?(笑)
この夢をみることで、素直にFBIに協力し、テロリストを阻止しようと決意して物語は終わる。
ただし、このラストも彼女の未来という可能性もある。
終わり方はいいと思うが、やはり彼女の未来を見るのはいらない設定だと思う。
スポンサーリンク