※この記事には作品の感想(ネタバレ)が書かれておりますのでご注意ください。
ピーターパンの相棒であるティンカー・ベルの誕生の秘密と、成長の物語を描いた作品である。
さすがディズニーピクチャーズ。CGアニメーションのクオリティはダントツだ。
中でもティンカー・ベルや他の妖精が飛ぶときに生じる『光の粉』。
この美しさに、思わずうっとりしてしまうのである(笑)
さて、中身はというと「大人も子供も楽しめる映画」に仕上がっている。
意図的に狙ったのか、社会派的な物語だ。
例えば、妖精の世界にも仕事の適正があり、自分に合った仕事に就くようなルールが存在している。
それぞれが社会の一員として、役目をまっとうし、貢献しなければならないのである。
万人の平等を目指す、共産的な社会なのだ。
しかし、ティンカー・ベルが、その社会をはみ出すことで物語が展開していく。
それはつまり、「もっと自分に合う仕事がしたい」という民主主義的な思想だ。
その考えによって、様々な仕事にチャレンジするティンカーベル。
試行錯誤しながらも、自分の役割を自分で探していくのである。
スポンサーリンクしかし、チャレンジには必ず代償がつく。
ほとんどが失敗し、その失敗のせいでみんなに迷惑をかけるのである。
そんなティンカー・ベルを励ますのがテレンス。
テレンスはティンカー・ベルを励ます目的で自分の仕事を卑下する。
そんなテレンスにティンカー・ベルは「もっと自分の仕事に誇りを持って」というのだが、テレンスはこう答えるのである。
「自分の仕事に誇りを持っているよ」
裏方の仕事でも、自分が誇りを持って取り組めば、それは素晴らしい仕事になるわけである。
逆に誇りを持って取り組まなければ、どんなに華やかな仕事をしても失敗してしまうのだ。
つまり、大切なのは、仕事そのものではなく、自分の取り組む姿勢なのである。
そのことに気付いたティンカー・ベルは物作りの誇りを取り戻し、画期的な発明をし、生産性を高めていくのである。
一見、地味で現代社会に必要なさそうな仕事でも、取組み方次第で、新しい仕事に生まれ変わる可能性があるだ。
こういった点に「はっ!」とすれば、大人が観ても学ぶ点は多々ある映画なのである。
ただ、『仕事に誇りをもたなければならない』というのはボクは否定的だ。
そんなのは自分で決めればよいし、仕事より大切なことは世の中に腐るほどある。
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