※この記事には作品の感想(ネタバレ)が書かれておりますのでご注意ください。

脳の力を100%使えたらどうなるか?

答えは『餓死』だ。

脳は本来、発電所1基分くらいの電気エネルギーを引き出せるポテンシャルがある。

ただ、それをやってしまうとカロリー消費が激しすぎるため、5%程度しか使えなくしているのである。

つまり、餓死を防ぐための防衛本能なのだ。

よって、脳をフル稼働させると非常にカロリーを消費するのである。

さて、本作「リミテットレス」。

脳の力を引き出す薬がテーマの映画だ。

オープニングの永遠に続くようなカメラワークにまずは圧倒される。

ここで映画の期待値はかなり高くなる。

 

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リミットレスのあらすじ

主人公のエディは、なかなか芽が出ない貧乏作家。

しかし、離婚した妻の弟ヴァーノンと偶然再会し、NZTという薬をもらう。

NZTは脳をフルに使える最新の薬だという。

筆も進まず、家賃も払えないエディは、薬に対して疑心暗鬼だったがダメもとで飲んでしまう。

すると、過去に体験した記憶をもとに問題に対する解決方法を閃いたり、まったく筆が進まなかったのに1日で本を書き上げたり、薬の効果に驚愕するのである。

ただ、この薬は1日で効果が切れてしまい、当然もっと使いたいために再びヴァーノンのもとへ向かうエディ。

ヴァーノンは少し考えるが、頼みごとをするかわりに薬を渡す約束をする。

頼みごとを済ませ、ヴァーノンの部屋に戻ったエディだったが、なんとそこにいたのは殺されたヴァーノンだった・・・

ヴァーノンの部屋から薬を探し出し、大量に入手したエディ。

薬を使って、語学や楽器を習得し、株も学んで資産を構築していくのだった。

このように、どんどん富を築きあげようとするエディであったが、何を焦ったのか闇金からお金を借りてしまう。

この闇金に手をだしたあたりから、問題がはじまっていく。

まずは薬の副作用。

記憶をなくしたり、集中力が低下したり、そして急にやめると死に至ると、離婚した妻から聞かされる。

そして、闇金の提供者であるゲナディに薬のことが偶然知られ、脅されるようになる。

ビジネスパートナーであるカール(ロバートデニーロ)からも不信を抱かれるようになってしまう。

そんな逆境の中、様々なピンチを切り抜け、やがて薬の副作用を緩和し、効果が持続するようなものを開発し、ラストはハッピーエンド。

 

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主人公にあまり共感できない

この映画、主人公に共感できないのに面白いから凄い(笑)

薬を手に入れてから、欲望をか叶え過ぎてて、なかなか共感できないのだ。

それは、やはり薬の力を使っているからであろう。

まぁ、努力ではなくドーピングであり、この主人公に共感できる人は少ないのではないだろうか?

ラストも最高の形で終わり、副作用のないドーピングを手に入れてハッピーエンドって、あまり好まれないではないだろうか?

 

モデルを殺したのは誰か?

 

この映画、一か所だけ非常にわかりにくいところがある。

それは、薬でスーパーパワーを手に入れたエディが一夜をともにしたモデルが殺された点である。

これは2通りの可能性がある。

まず、単純にエディが殺してしまったという可能性。

その場合、薬の恐ろしさを視聴者に演出する効果を狙うものである。

ただ、さすがにこれは厳しいと思う。

薬の恐怖を表現するためといって、主人公に罪もない女性を殺させるか?

2つ目はコートの男が殺した可能性だ。

エディを追っていたコートの男が、ホテルを突き止め、モデルが薬のことを知っていると思い殺したという可能性だ。

こちらの方が、しっくりくるかもしれない。

ただ、エディの記憶がなくなっているので、どちらの可能性もある。

あえてこういう演出にしたのか?

ここはあまり分かり難くする必要はないと思うが・・・

 

ラストがハッピーエンドで逆にセンスを感じる

薬の恐怖を与えて、最後はバッドエンディングになると思いきや、なんとハッピーエンドになるとは(笑)

薬の弱点を克服したのはよいが、開発者がそれをとっくにやっているという矛盾も残る。

だって、頭をフルに使える薬を開発できたら、その時点で後遺症が残らない薬をスグに開発できるはずだからである。

また、頭がフルに使えたら闇金には手を出さないだろうし、リスクマネジメントに強くなりそうなものだが・・・

このように、少し突っ込みどころがあり、まじめに観る映画ではないのかもしれない。

 

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