※この記事には作品の感想(ネタバレ)が書かれておりますのでご注意ください。

タイトルである程度の内容はわかってしまうが、それでも実話の力は凄い。

特に兄との思い出を回想するラストは涙が止まらなくなる。

兄妹の絆、兄の優しさ、お菓子を食べる約束、そういった思い出がどんどん蘇ってくるのである。

タイトルでネタバレしているのに、想像を上回る感動が味わえるのは、やはり監督の力であろう。

ラストに向かう音楽、母との再開の瞬間など、25年間の重みがしっかり表現されていて、会えなかった親子の悲しみがしっかり伝わってくる。

里親役のニコール・キッドマンも素晴らしいし、スラムドッグ$ミリオネアでも主役だったデーヴ・パテールも完璧。

そして、幼少期のサルー役を演じたサニーパワールも、この映画に欠かせない存在だ。

ずっと兄に守られてきたのに、いきなり大都市(カルカッタ)で1人で生きていかなければならなくなるのだ。

5歳の子供がまったく知らない場所へ迷子になってしまうことは、親であれば胸が張り裂ける気持ちであろう。

家族が毎日心配していると思うとやりきれない青年になったサルー。

そして、1人になってしまった息子をずっと探し続ける母。

タイトルに通り、最後は再開を果たすのだが、実はもう一つの悲しみがあったのだ。

それは、兄の死である。

25年前、駅で兄とはぐれてしまった時、実は兄は列車に轢かれていたのだった。

だからいつまで待っても兄は迎えにこなかったのだ。

あの優しかった兄を思うと心が痛くなる・・・

 

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簡単なあらすじ

サルーは5歳の時に家族とはぐれてしまい、遠く離れた場所へ行ってしまう。

自分の名前や、生まれた場所もわからないサルーは、手掛かりもないまま施設に預けられてしまう。

そんなある時、オーストラリア人夫婦に引き取られることになるサルー。

どんどん成長するサルーは、立派な青年になっていた。

そんなある日、グーグルアースによって故郷を探せる可能性を見出す。

何不自由ない生活を送っているサルーだが、故郷に住む母や兄を思うと居ても立っても居られないのだった。

しかし、優しい里親への感謝もあり、故郷を探すことに罪悪感もあるサルー。

中々故郷が探せなかったサルーだったが、ある時、グーグルアースを適当に動かしていたら、記憶が蘇ってくるのであった。

兄と遊んだ草原や川、頑張って記憶を思い出し、目ぼしい場所を見つけたのだった。

 

母との再会と兄との別れ

記憶を頼りに故郷を探し出したサルー。

自分が生まれ育った場所へ着くと、そこは間違いなく過ごした場所であった。

しかし、生活していた家に着くと、そこはヤギの小屋になっていた。

近くにいる人に手当り次第訪ねていくと、なんと母がいる場所を教えてくれたのである。

母は近くの場所へ引っ越していたのだ。

そんな母と25年ぶりの再会を果たすサルー。

感動的な場面だ。

そして、その場にいない兄のことを聞くのだった。

すると25年前、サルーがはぐれてしまった夜、兄は列車に轢かれて死んでしまっていた事実を聞かされる。

母に再開した喜びと、兄を失った悲しみが同時に訪れるのである。

ラストは兄との記憶を思い出しながら静かに幕を閉じる。

貧しいながらも兄弟で力を合わせ、生き抜いた記憶が蘇り自然と涙が溢れてくるのである。

また、作品の最後では本人の映像も登場し、母と里親が会うシーンなども映し出される。

 

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