※この記事には作品の感想(ネタバレ)が書かれておりますのでご注意ください。

この映画のわかりにくい点は「重要人物が多い」ということであろう。

通常2時間程度の映画であれば、重要人物はそれほど登場させない。

重要人物は少なめ、そして、重要でない人物は多めというのが適切なバランスだ。

しかし本作『L.A.コンフィデンシャル』は、ほとんどのキャラクターが重要人物。

そして、その重要人物にそれぞれドラマや駆け引きがある。

さらに、それぞれの名前とキャラクターを覚えておく必要があり、一瞬でも気を抜くと置いてけぼりを喰らうことになる。

また、それほど重要でなかったキャラを念入りに描いたり、重要なキャラなのにあっけなく消えてしまったり、従来のミステリー作品の真逆を行くことで今でも色あせない名作ミステリーとなっているのである。

 

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真犯人は一体誰だったのか?

まず、真犯人はしっかり描かれている。

ダドリー警部である。

しかし、メインとなる「ナイト・アウルの虐殺事件」の真相は何だったのか?

黒人のチンピラ3人がつかまったり、非常にわかりにくく描かれている。

まず「ナイト・アウルの虐殺事件」は元刑事など6人が惨殺された事件だ。

被害者にはホワイト(ラッセル・クロウ)の相棒(ステンスランド)や、スーザン(リタ・ヘイワース似の娼婦)などがいた。

ステンスランドが始末されたことにより、ホワイトはこの事件に執着していくわけである。

この真犯人はブルーニング刑事とカーライル刑事。

刑事の汚職なのであるが、この2人はあまり強調されて登場しない点がわかりにくいのである。

また、この2人はダドリー警部の手下でもあり、ダドリーを含めたこの3人が黒幕だったのである。

 

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事件の動機

上記の真犯人3人に注意すれば事件の真相がわかりやすくなるはずである。

大物マフィアが逮捕された後、秩序が乱れ、ロサンゼルスの縄張り争いが激化するのである。

そこで、本作の真犯人であるダドリー警部がマフィアをガンガン始末していくのだ。

ダドリー警部は大物マフィアがいなくなったロサンゼルスにおいて、影の支配者になろうとしていたのだ。

その為に手下4人を引き連れるのである。

それが、ブルーニング刑事とカーライル刑事、冒頭だけ登場した億万長者ピアスと同じ車に乗っていた元刑事バズ。そしてホワイトの相棒だったステンスランドである。

ブルーニング刑事
カーライル刑事
バズ
ステンスランド

この4人はダドリーの手下であり、マフィアを始末している4人組なのであった。

しかし、ある時マフィアを始末した際に見つけた薬物により関係が乱れる。

バズが入手した薬物を、ステンスランドが奪うのだ。(地下室でバズはミイラ化)

そして、そのステンスランドからブルーニング刑事とカーライル刑事が奪うのが「ナイト・アウルの虐殺事件」なのである。

 

腐敗した警察とマフィア

この様に、重要人物が多く名前と顔やキャラクターが一致しないと物語の難易度が高くなる作品である。

ケビン・スペイシー
ラッセル・クロウ
ガイ・ピース

などなど、豪華な俳優が多数登場するのであるが、鍵を握るキャラクターをもう少し特徴的に演出すればわかりやすかったと思われる。

ただ、ミステリー的には最高峰の映画であり、話の複雑性や、重厚な人間関係など見どころの多い作品である。

 

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