※この記事には作品の感想(ネタバレ)が書かれておりますのでご注意ください。
ボクはゲームはやらないので、原作であるゲームのサイレントヒルをプレーしたことはない。
ただ、この映画バージョンのサイレントヒルは、ゲームをやっていなくても十分楽しめる映画だと思う。
ゲームをやっていないとわからない点などは、特にないと思われる。(もちろんゲームをやった事がある人の方が、より楽しめるとは思うが)
独特の世界観があり、開始早々引き込まれる。
深い霧のゴーストタウンをメインに話が展開し、まるでその場に引き込まれるような映像はお見事。
夜中1人でみると、この雰囲気だけで恐怖を感じるはずだ。
ただ、よくあるホラー映画のように爆音で驚かせることや、急に怪物が現れるような技は使っていない。
あくまでも世界観で怖がらせることに成功している希少な作品だ。
新しいホラー映画の見せ方といった感じで、ホラーが苦手な方も楽しめる可能性が高い作品だと思う。
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あらすじと感想
娘シャロンが不安定な状態で「サイレントヒル」という謎の言葉を発することから物語は始まる。
この「サイレントヒル」というキーワードがシャロンの症状に関係していると推測し、その謎に立ち向かおうとする主人公のローズ。
夫の反対を押し切って娘と二人で出かけてしまうのだが、「いやいや、夫婦で協力していこーぜ」と冒頭からツッコミ所がある。
なぜ夫がローズを引き留めようとするのか?この描写がないので、ここでつまづいてしまう人も多いと思う。
そして、サイレントヒルが町の名前だと気づき、車を走らせるローズ。
途中のスタンドで娘シャロンをしかったことから、その場にいた女性警官に女児誘拐だと勘違いされてしまう。
これを振り払うように逃げてしまうため、女性警官もローズを追うはめになってしまう・・・
まぁ、面倒になってしまうのはわかるが逃げなくてもいいのでは?と、ここでもツッこんでしまうのである(笑)
そして、カーチェイスの末、ローズ&シャロン、そして女性警官シビル・ベネット巡査はサイレントヒルへ迷い込んでしまうのである。
スポンサーリンクただ、この迷い込んだ町はパラレルワールドで、元の世界とは別になってしまっている。
気づくと娘の姿はなく、娘探しに翻弄しながら、不思議な体験をするのがメインとなる話の流れだ。
視聴者にとっても、「ここは普通の町ではないな」と思うのに、変に混乱した様子もなく立ち振る舞うローズの勇気は凄まじい(笑)
ここで、ホラー的要素の多い不思議な体験をしていくのだが、前述したように爆音や、急にバケモノが出てくるような小技はない。
よって、結構安心してみられるところがポイントだ。
ホラー的な映像美が堪能できるので、あえてそういった小技を抑えたのだと思われる。
この「ちょっと怖いけど、不思議な映像美」が好きな人は、ハマる映画だと思う。
ホラー映画となっているが、実はバケモノ系よりも、人間の『煽動』の方が恐怖を感じるという皮肉な映画だ。
終盤はカルト的な要素も含み、集団心理や宗教的な危険性も描いている。
また、一応解決したようにみえたラストだが、結局はパラレルワールドからは抜け出せず、ローズとシャロンは別の世界で生きる事になるのである。
このラストも、ちょっと切なくて、テーマの世界観を保ったままエンディングを向かえるいい終わり方だと思う。
この独特な世界観は他のホラー作品では味わえない。
原作であるゲームが大人気なのも納得である。
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