※この記事には作品の感想(ネタバレ)が書かれておりますのでご注意ください。

この映画はボクが高校生の頃の作品だ。

当時から話題作としてメディアでも取り上げられていた。

一番の目玉は「ロバート・デ・ニーロ」と「アル・パチーノ」の共演だろう。

この2人が同じシーンで絡むなんて、ファンはヨダレ拭きが必要なくらい熱い映画だと思う。

 

そして、もう一つの目玉が「銃撃戦」だ。

デ・ニーロとアル・パチーノがロサンゼルスの市街で10分以上も銃撃戦をすれば、それだけで歴史に名を残す傑作映画が確定される。

脚本家&監督は、この銃撃戦がゴールとしてあったのではないか?

ここから逆算してストーリーを作り込んでいったのだと思う。(実際はマイケル・マンの過去の作品のリメイク)

それほど臨場感が凄い。

気が付けば、自分もロサンゼルスに立っていると思うほど、銃撃戦に引き込まれる。

これは、3Dなどのレベルではない。

まず、『音』に驚く。

リアリティを徹底する為、実銃の音をサンプリングして、銃声にしている。

日本に住んでいる限り、本物の銃声なんて聞いたことないが、明らかに他の映画とは違う銃声に驚く。

そして、銃撃戦を演じる俳優達も、実銃で訓練をしてから演技に臨んだようだ。

つまり、徹底した臨場感によって、3Dでは味わえない迫力を出すことに成功している。

 

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キャラの背景が丁寧

そんな歴史に残る銃撃戦だが、そこまでのストーリー展開、キャラ設定もお見事。

デ・ニーロは知的、冷静、ポリシー、人望、そして友情を重んじる点などを、丁寧に刷り込んでいく。

逆に、仕事はできるがプライベートはダメという、ヴァル・キルマーのキャラ設定も完璧だ。

ヴァル・キルマーが恋人とうまくいっていない時、その恋人に忠告にいったり、仕事仲間のプライベートも考える悪党なのだ。

ただ、ここが最大の課題でもある。

つまり『仲間を裏切ること』に対して、全てを犠牲にしてでも報復をする。

これが、この映画のテーマなのだ。

 

自分のルールVSプライベート

 

これにみんな苦しむのである・・・

 

仕事に憑りつかれる

相手役のアル・パチーノのキャラ設定もお見事。

知的で指導力もある、ただ・・・

やはりプライベートに問題がある。

仕事を優先してしまうので、離婚を何度も繰り返してしまうのだ。

ヒートには、こういった「仕事」と「プライベート」の天秤がよく出てくる。

デ・ニーロも「仕事」に憑りつかれていたが、恋人を作り、足を洗う準備をしていた。

しかし、最終的には報復という仕事を優先してしまう。

 

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ラストの握手の意味とは?

本当であれば、デ・ニーロは恋人と高跳びの準備ができていた。

後は飛行機に乗れば、新しい土地で幸せな生活が待っている。

しかし、最後の最後で裏切り者(ウェイングロー)の滞在先の情報を得てしまう。

もう少しで幸せな生活が待っていたのに、自分のポリシーを最後まで貫いてしまう。

結果、恋人を車に残して逃げる。

アル・パチーノは、デ・ニーロが裏切り者の報復をすると読んでいたので、すぐに追いかける。

最後は空港の敷地内で一騎打ち。

隙をついて発砲しようとしたデ・ニーロだが、影によって察知され、逆に撃たれてしまう。

仕事に憑りつかれた2人だからわかる世界があるのか、握手をしながらフィナーレをむかえる。

 

デ・ニーロの眼力が凄い

この映画の前半、デ・ニーロはほぼ目だけで仕事をします。

目の力だけを使って、「ニール」というキャラを表現していきます。

これは本当に唯一無二の才能だと思います。

こんな演技ができるのはロバート・デ・ニーロしかいないでしょう。

 

ヴァル・キルマーがカッコイイ!

ギャンブル狂でプライベートはダメダメなヴァル・キルマー(クリス)。

しかし!仕事になると豹変します。

金庫破り、銀行強盗、隙のないプロの仕事をしていきます。

中でも銃撃戦は本当にカッコイイ!

長髪をなびかせながら前・後ろと打ちまくる姿は圧巻!

実銃の訓練を受けたようですが、構えから、打ち方まで素晴らしいです。

 

ヒート最大のツッコミ所

最後にヒート最大のツッコミ所を。

デ・ニーロ(ニール)は緻密に仕事の計画を立てます。

それこそ膨大な金を使い、徹底的にリサーチしていきます。

そんな中、なぜ自分を窮地に追い込むであろう裏切り者「ウェイングロー」を雇ってしまったのか?

少しリサーチすればウェイングローがどんな人物か?簡単にわかったはず・・・

ただ、それを言ったら映画にならないからね(笑)

最後のヤマ(銀行強盗)でも、逃走車の運転をレストランで偶然再会したドンを誘うなど、たまに爪の甘さを見せるのもニールというキャラの魅力の一つなのでしょう(笑)

 

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