※この記事には作品の感想(ネタバレ)が書かれておりますのでご注意ください。

シャーリーズ・セロンがスパイ役を演じる『アトミック・ブロンド』。

スパイ映画ではお馴染みの騙し騙される展開、そして迫力のアクションが楽しめる作品だ。

そして、ネオンの雰囲気とロックやポップな音楽を使うことにより、印象的な映像体験ができるようになっている。

ドロドロなアクションシーンなのだが、80年代を代表するポップソングによって、おしゃれなミュージックビデオのようになるから不思議だ(笑)

この様に、スパイ、アクション、音楽と、様々な要素を混ぜ合わせることで、他のスパイ映画と差別化を行っている。

同じような、女性がスパイ役の映画としてアンジェリーナ・ジョリー主演の『ソルト』などがある。

映画「ソルト」の感想・ネタバレ(84点)アンジェリーナジョリーが多重スパイ役?衝撃の結末とは?

こちらも騙し騙されるような多重スパイの映画なのだが、バックボーンは『愛』だ。

しかし、本作『アトミック・ブロンド』は本格スパイアクション。

男とのラブストーリーもない。(女性とは・・・)

シャーリーズ・セロンの本格的なアクションに酔いしれる作品なのである。

 

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ワンカット(長回し)は本当に撮ってるの?

本作最大の見どころは後半部分のワンカットであろう。

7分くらいのアクションシーンがワンカットで演出されているのである。

「カメラが切り替わらないなぁ~」なんて感じてから、7分も長回しするのだ。

しかも、とんでもないアイクションシーンの連続。

階段を転げまわったり、近距離での銃撃戦となったり、凄まじい展開をみせる。

また、シャーリーズ・セロンが転がったり、危険なシーンも多い。

これが全部ワンカット?凄すぎる!

と思って調べたら、少し残念だが、やはり編集しているようだ。

実際は40カットを撮って、ワンカットのように繋ぎ合わせたのだった。

ただ、このシーンは非常に労力がかかり、撮ったらスグに確認したり、次のシーンにスムーズに展開したり、様々な困難が伴ったようだ。

それほど、このワンカットにこだわった監督のデヴィッド・リーチ。

元々スタント・コーディネーターを務め、『アトミック・ブロンド』が初めての単独監督作となったのだ。

この様に、初単独監督作ということで、このワンカットはスタント・コーディネーターとしての経験や技術をすべて注ぎ込んだ気迫がうかがえる。

映画史に残るとまで好評なシーンなので、まだ観ていない方はぜひご覧になって度胆を抜かれてほしい(笑)

 

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どんでん返しもスッキリ

イギリスのMI6、旧ソ連のKGB、そしてアメリカのCIA、などなど、色々な国の情報機関が登場するので、目を離すと置いていかれる可能性がある映画だ。

それぞれの国の工作員(スパイ)が騙しながら活動するのである。

ただ、この映画の場合、それほど細かい部分は気にしなくてもよいと思われる。

なぜなら、ラストのどんでん返しでスッキリするからである。

それは主人公ロレーン・ブロートンが二重スパイではなく、三重スパイだったというオチだ。

最初はイギリスのMI6としてスパイ活動を行う。

しかし、味方に二重スパイがいることが判明される。

それが一体誰なのか?という話の展開となる。

しかし、後半になると、実は主人公がソ連のKGBのスパイだったことが判明する。

二重スパイを追っていた主人公が実は二重スパイだったのだ。

しかし、それで話は終わらない。

役目を終え、KGB幹部にリストを渡そうとするが、なんとKGBも瞬殺してしまう。

そして、冒頭から登場しているCIAの幹部にリストを渡し、静かに幕を閉じるのだ。

主人公がなぜロシアの「ウォッカ」をいつも飲んでいたのか?

なぜ、冒頭でCIAは信頼できないから外してくれと頼んだのか?

様々な伏線が頭の中で回想され、視聴者はスタッフロールと共にニヤリとほほ笑むのである。

 

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