※この記事には作品の感想(ネタバレ)が書かれておりますのでご注意ください。

「なぜ、彼は人類のいない地球に残されたのか?」

非常に興味を引くキャッチコピーだ!

なぜか崩壊している橋や建造物の中に、トムクルーズが一人という強烈なポスター。

気にならないわけがない!

それでは早速、内容についてみてみよう。

 

主人公であるジャック(トムクルーズ)は、人類の生き残りとして高度1000メートルのスカイタワーに住み、異星人を監視する仕事だ。

では、地上から異星人を監視するのは誰か?

それが無人偵察機(ドローン)なのである。

異星人が出てきたら、このドローンが自動的に攻撃をする。

めちゃくちゃ頼りになるロボットだ。

これにより、地球を守ることができるのである。

ただ、たまにドローンが故障する時がある。

そんな時に、素早くメンテナンスをするのがトムクルーズの仕事なのだ。

 

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ネタバレ

超簡単にネタバレをすると「実はトムクルーズが異星人に操られていた」という話だ。

しかも、大量にクローン化されて。

異星人から地球を守っているのではなく、ドローンを使って地球人を攻撃していたのだ。

このどんでん返しで効果的だったのがドローンの表情。

味方だと思っていた時のドローンは、なんと頼もしい表情なのだが、実は敵だったと知ると同じ表情なのに、恐怖を感じるようになる。

ドローンの表情でどんでん返しを演出した点は、かなり凄いと思う。

と、同時にドローンのような監視ロボットが、もし近い未来にできたら、かなり怖いなと感じた。

可能性としてはゼロではないので、将来犯罪が増えて、政府が監視ドローンを作る、なんてことになるかもしれない。

 

映像はダントツ!

2077年の設定なので、建物や乗り物は近未来的なデザインだ。

その中で、自然もたくさんでてくる。

冒頭のスカイタワーの背景も、標高3000メートルの山で撮影した映像を投影するほどのこだわり。

スターウォーズのように90%以上がCGというのではなく、本物でカバーできるものは本物を撮るという意識が、この映画を底上げしていると思う。

 

近代科学と哲学

ラストはクローンのトムクルーズと、妻のジュリアが再開してハッピーエンド。

とはならない!

なぜなら、主人公であったクローン49番は自分を犠牲にして異星人を倒したからだ。

よって、今まで感情移入していた49番のトムクルーズはいない。

そんな中、ラストにちゃっかり出てきた52番がジュリアとハッピーになる。

それを観て、視聴者の多くは「なんかぁ~」という感情になると思う。

だって、今まで応援していた49番のトムじゃないから。

はい、ここがポイントである。

そもそも49番もクローンだった。

しかも、ジュリアと出会って少ない日数。

それでも49番はジュリアとの愛を思い出した。

そしてジュリアも49番を受け入れた。

観ているボク達も2人を受け入れた。

ここに近代科学と哲学、クローンと魂みたいな問題提起をしているから凄い。

 

例えば、近い将来クローン技術が完成し、人間のクローンが作れたとする。

今回のように最愛の人を亡くした場合、クローンで蘇らせれば元のように愛せるか?

 

この映画は随所にこういった「問い」がある。

映像だけのSF映画と見下して観ていると、とんでもない損をするのである。

 

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