※この記事には作品の感想(ネタバレ)が書かれておりますのでご注意ください。
『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』の主人公フランク・アバグネイルは実在する人物であり、彼の自伝が基になっている。
本作の最も強いフックは16歳の天才詐欺師というコンセプトである。
わずか16歳で職業を詐称し、小切手詐欺をガンガン行っていたのだ。
しかも、その職業は航空機パイロット・医者・弁護士などなど、社会的ステータスが高いものばかりである。
なぜ偽装がバレなかったのか?自分の見せ方・演出が非常にうまかったのだ。
これは、フランクが子供時代に父からの影響が強いと思われる。
フランクの父は昔裕福な暮らしをしており、自分をどのように見せるか?で他の人の対応が違ってくることをしっていたのだ。
例えば、父子二人で銀行にいく時、息子であるフランクにドアを開けさせる。
すると、早速銀行のお偉いさんが出迎えてくれるわけだ。
これにより融資などをスムーズに進めてきたのであった。
しかし、そんな父が転落することで家庭はバラバラとなり、それがフランクが詐欺師になる理由でもあった。
なぜなら、自分で大金を手に入れ、もう一度父に裕福な暮らしをさせ、母を呼び寄せたかったからである。
この中心となる動機によって、主人公が詐欺師であっても共感が生まれるのである。
スポンサーリンク
司法試験は本当に合格したのか?
主人公フランクは最初はパイロットとして職業を詐称し小切手詐欺を行っていく。
ただ、徐々にFBIに追われていき、次は医者に成りすます。
この辺りにヒントがあり、フランクはとんでもない集中力でテレビドラマなどから情報を集め、専門用語なども完璧にマスターするのであった。
しかし、実際の患者の酷い症状などを見て次の職業を模索するのであった。
看護婦の彼女と仲良くなり、家に招かれると、彼女の父は検事であったのだ。
そこで「実は法律家を目指していた」というとんでもない嘘をつく。
それから彼女の父の事務所で働くのだが、正式な司法試験に合格しているのだ。
今までは職業詐称だったのだが、司法試験に合格すれば弁護士として嘘偽りなく活動できるのだ。
FBI役のトム・ハンクスは司法試験について何度も尋ねる。
「どうやって司法試験をクリアしたのか?」と。
これについて、映画と自伝で若干の期間の長さは異なるが、8週間の勉強で正式に合格している。
また、試験を受けた回数だが3回目で合格したようだ。
「カンニング説」などもあるが、恐らくそういった不正はなく合格したと思われる。
本当に天才だったのであろう。
脚色もある?
本作品は実話を基にしているが、脚色や誇張も多いようだ。
これは本人が語っており、伝記や映画は事実とは異なることもあると断言している。
また、トム・ハンクスが演じたFBIカール・ハンラティも実在の人物ではなく、フランクを追うFBI捜査官をモデルにしたキャラクターである。
サスペンス的な緊張感とコメディをバランスよく表現し、終始飽きずに観られるのは巨匠スティーヴン・スピルバーグの成せる技であろう。
スポンサーリンク