※この記事には作品の感想(ネタバレ)が書かれておりますのでご注意ください。
嗜眠性脳炎という難病にかかり、30年間こん睡状態のレナード(ロバート・デ・ニーロ)。
そして、人付き合いが極端に苦手な医師セイヤー(ロビン・ウィリアムス)。
セイヤーは夜寝る前に植物図鑑をみて幸せを感じたり、ミミズの実験を5年間も行ったり、少し変わった人間である。
しかし、新しい職探しを行っていたところ、手違いで慢性神経医として採用されてしまう。
人と関わることが苦手であったセイヤーだが、患者と接することで人への興味や、関心を抱くようになるのであった。
慢性神経病患者専門の病院ということで、反応がみられない患者ばかりであったが、ある時「反射神経」によって患者が動くことを発見する。
これにより、ボールを投げてキャッチさせたり、床の模様が刺激となって歩くことができたり、様々なことを発見し、患者に生気を取り戻すのであった。
そんな中、パーキンソン病の新薬が嗜眠性脳炎に効果的ではないか?と考えるようになる。
そこで、もっとも症状の重いレナードに薬を与える許可を得る。
レナードの母も、息子がもとの状態に戻るのであればと承諾する。
そして、何度か薬を与えるうちにレナードは元の状態に戻っていくのであった。
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30年ぶりに目覚めたレナード
薬によって30年ぶりにこん睡状態から抜け出したレナード。
意識もしっかり、母のことも覚えている。
自分で歩くこともできて、会話も成り立っている。
30年ぶりに意識が戻り、母と抱き合う姿は感動的だ。
そして、その姿をみてセイヤーは満面の笑みを浮かべる。
このロビン・ウィリアムスの笑顔は本当に素晴らしい。
これだけの喜びを表現できるのはロビン・ウィリアムスしかいないであろう。
このレナードの成功から、患者全員に薬を使おうとするのであった。
しかし、どうしても予算が足りない・・・
すると、看護士やスタッフが小切手を寄付するのであった。
さらに、支援者たちへも呼びかけ資金を調達し、患者全員に薬を投与できるようになるのであった。
すると、奇跡が起こる。
まったく反応のなかった患者たちが自分で歩き、そして会話をしているのだ。
恋をするレナード
普通に生活ができるほど回復してきたレナード。
ある日、病院へ父の見舞いにきていたポーラという女性に一目惚れをしてしまう。
すると、母のおせっかいを煩わしく思ったり、ティーンエイジャーのような反応をみせるレナード。
まさに思春期である。
この様に、30年間のこん睡状態から回復し青春を横臥するのである。
しかし・・・
再び病魔に襲われる
ある日、病院から1人で出たいと申し出るレナード。
病気は回復し、自由を求めるようになったのである。
しかし、まだ回復したばかりであり、もう少し様子を見ようとする医師団。
そんな医師団に反発するレナード。
これが刺激となってしまい、再び病状が現れるのである。
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デ・ニーロ迫真の演技
ここからは、突然痙攣がおきたり、意識が朦朧としていくレナード。
この病状が始まる迫真の演技は凄まじい。
難病の過酷さが痛いほど伝わってくる。
そして、この悪化をビデオに残そうとするレナード。
しかし、あまりにも可哀想でビデオをまわせないセイヤー。
自分の無力さに肩を落とすのであった。
ラストのダンスは涙が溢れる
病状が悪化していくのを悟ったレナードは、恋するポーラに別れを告げる。
このまま、自分の状態が酷くなるのをポーラに見られたくないからである。
しかし、ポーラはレナードの手をとり、ダンスを踊る。
このポーラとのダンスを噛みしめるように踊るレナード。
痙攣は止まっていて、本当の安らぎを得、幸せそうなレナードに涙が溢れてくる。
そして、そこから病状は悪化し、回復することはなかった・・・
友情が生んだ奇跡
こうして、数日間かもしれないが一生懸命生き抜いたレナード。
その中でセイヤーにも大きな影響を与えていたのである。
ある時、レナードとの思い出を振り返るセイヤーは、レナードの言ったことを思い出し、エレノアをコーヒーに誘うのである。
レナードに接することによって、セイヤーも大切なものに気づくのであった。
人付き合いが苦手だったセイヤーにとって、これはレナードとの友情が生み出した奇跡なのである。
そして「人間の魂は、どんな薬よりも強い」というセイヤーの言葉で幕を閉じるのであった。
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