※この記事には作品の感想(ネタバレ)が書かれておりますのでご注意ください。
実在した天才ピアニストであるデイヴィッド・ヘルフゴットの半生を描いた作品が『シャイン』である。
クラシックやピアノに詳しくなくても普通に楽しめるので、安心して観ていただきたい。
見どころはたくさんあるが、やはりピアノに対するエネルギーの消耗がうまく表現されている映画である。
ネタバレとなるが、本作では主人公がピアノに執着するあまり、精神異常となってしまう話だ。
ラフマニノフという作曲家の「ピアノ協奏曲第3番」に対する思いが強すぎ、壊れてしまうのである。
そして、それは父の影響であり、父を喜ばせたいという想いから、この難曲に挑むである。
また、この難曲に対して師匠も最初は反対をする。
1人目の師匠は「こんな情熱的な曲は子供には無理だ」という。
そして、2人目の師匠は「指が10本あると思いながら演奏そろ!少しでも扱いを間違えると怪我をするぞ!」というのだ。
ピアノを弾いていて怪我をするとはどういうことか?ラフマニノフの曲がいかに難しいか?非常にわかりやすい表現である。
そしてそれは実際に起きてしまうのである。
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本人も出演
デイヴィッド・ヘルフゴットを演じたのはジェフリー・ラッシュ。
この作品でアカデミー賞主演男優賞を受賞した。
また、パイレーツ・オブ・カリビアンのヘクター・バルボッサなどを演じ、その存在感はジェフリー・ラッシュしかだせない強みとなっている。
そして、実はデイヴィッド・ヘルフゴット本人も出演している。
実際に弾いているのがデイヴィッド・ヘルフゴット本人だ。
手だけが見えるシーンなど、本人がピアノを弾いているのである。
だからこそ本作のピアノの演奏は魂に響くものがあるのだ。
献身的に支えた妻ギリアン
精神病院で暮らしていたヘルフゴットだったが、徐々に回復したまたま寄ったバーでピアノを引き、その場にいた全員の度肝を抜く。
これにより、普通の生活に戻ることができるのである。
そんな中、知り合ったのが占星術占いを仕事にしているギリアン。
ギリアンには他に恋人がいたのだが、自身の占いによってヘルフゴットとの結婚を決意するのである。
すると、ヘルフゴットも運が向いてきて自らリサイタルを開催し、再び世間の注目を浴びるようになるのであった。
真実とは異なる?
本作はノンフィクション風に描かれているが、実際のところ、多少付け加えられているところがある。
本作ではまず、父は厳格に描かれており、ちょっと精神的には怖い印象がある。
しかし、本人の関係者や家族からの手紙によって、父親像は異なることを伝えている。
作品中では父との確執があり、父がホラー的に映る場面は多かった。
この様に、実際のキャラクアターとは異なる内容で描かれていることは注意すべきことであろう。
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