※この記事には作品の感想(ネタバレ)が書かれておりますのでご注意ください。
1000万部を超える大ヒット作となった原作「ボブという名のストリート・キャット」の映画化が本作品である。
家庭問題から薬物に手を出してしまった主人公ジェームズ。
路上ライブを行いながら、ホームレス生活を続ける毎日を過ごすのである。
友達などの誘惑によって、再度薬物に手を出してしまうジェームズであったが、ソーシャルワーカーのヴァルに救われ支援により住む場所を提供されるのである。
心機一転、二度と薬物には手を出さないと誓うジェームズの元へ、一匹の猫が近づいてくる。
なついてくる猫を放っておけず、路上ライブを行うときも一緒に行くようになるのだった。
すると、猫によって人気がでて人だかりだできるようになる。
また、隣人のベティとも親しくなり、猫の名前を「ボブ」と名付けるのであった。
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どん底から成功物語だが・・・
様々な問題を抱えていた主人公が、一匹の猫との出会いで人生を逆転するというシンデレラストーリー。
家庭問題には共感できるし、それにより薬物に走ってしまうことも同情できる。
そしてホームレスになりながらもミュージシャンを目指す姿勢も良い。
ただ、実話だから仕方ないかもしれないが話がストレート過ぎたと感じてしまった。
例えば、後半でビッグイシュー販売員になる主人公。
ビッグイシューはホームレス救済の活動であり、そういった方の為の仕事である。
だからこそ、仲間意識をしっかり持って「縄張り」という概念が必要となってくる。
ボブの人気によって順調に売り上げを上がる主人公。
しかし、他のホームレス仲間の縄張りで、ボブ目当てで通りかかった人に販売してしまった。
いや、これは他のホームレスの人が見たら「反則行為」である(笑)
ボブを目当てにさせ、お客を奪われたら他の一生懸命やっているホームレスがかわいそうである。
これじゃ、せっかくの救済活動も無意味になってしまう。
おっさんホームレスより、可愛い猫がいる若いホームレスから購入したいにきまっている。
普通のビジネスであれば、こういった競争原理で他のライバルにはないUSPを出すことは重要だ。
しかし、これは救済活動の一環であり、主人公のようなことをやってしまったら、せっかく希望を持って活動している人も絶望してしまうだろう。
なので、他のビッグイシュー販売員が可哀そうになってしまった。
いい話ではあるが、やはり動物を使ってのやり方はボクは少し共感できなかった。
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