※この記事には作品の感想(ネタバレ)が書かれておりますのでご注意ください。
クリント・イーストウッドとメリル・ストリープの不倫の愛の物語ということで、当時はプロモーションも燃え上がるように行われていた(笑)
1995年に公開された映画だが、1997年には『失楽園』など日本でも不倫映画がブームになった時期でもある。
テーマが「不倫」ということで、当然だが好き・嫌いが分かれる作品でもある。
また、男女でも感じ方はそれぞれ異なるであろう。
そして、未婚・既婚の環境でも評価の仕方が変わると思う。
当時10代だったボクは、この映画を観て「まぁ普通にいい映画じゃね?」と思っていた。
そして、それから10年以上が経ち、家庭を持ってからもう一度観てみることにした。
その率直な感想は「気持ちはわかるけど、なしじゃね?」である。
毎日家事で明け暮れるフランチェスカ(メリル・ストリープ)が、様々な世界を経験しているロバート(クリント・イーストウッド)に惹かれてしまうのは痛いほどわかる。
ただ、これ同じ男としては「反則」だ。
一生懸命「家庭」を守ってきた主婦に対して、「外の世界」という凶器攻撃的な反則技を使う男はプロレスでいうところのブック破りである。
「あそこの景色はきれいだった」
「あそこでこんな経験をした」
「オレ、こんなに経験豊富だぜぇ」
家事で時間が止まっていた女性に対して、これをやってはダメだろう。
この反則技を使っていいのは独身の女性に対してのみである。
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6時間の映画にすべきだった
『マディソン郡の橋』は前述したとおり、男が反則技を使うのがいただけない。
色々な世界を観てみたい主婦が、世界を飛び回る男に惹かれるのはわかる。
ここは全然問題ない。
しかし、ロバートがフランチェスカにぞっこんになる描写が薄すぎる。
6時間くらいの映画にして「世界を飛び回ってきたけど最終的に最高の女性に出会ったぜ!」という説得力をもっと入れるべきである。
この辺は冒頭で、ロバートの弁護士が全財産をフランチェスカに贈与する描写を入れることで「本気度」を演出しているが、これも少しリアリティに欠ける。
「とりあえず家庭は壊したくないけど、キミを愛し続けていたから財産全部あげるよ」という中途半端さも鼻につく。
この様に、ボクはロバートが全然魅力的に見えないので感情移入ができなかった。
冒頭の道を尋ねたシチュエーションで人妻に手を出すのもあり得ない。
どんなに好きな人が出来てしまっても、相手の家庭を壊すのは、よほど酷い亭主でない限り悪だと思う。
よって、ボクは嫌いな作品である。(ただ、ボクの妻がこの作品を観たらきっと号泣するだろう^^)
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