※この記事には作品の感想(ネタバレ)が書かれておりますのでご注意ください。

よくある「どんでん返し」系の作品は、ラストにスポットがあたり、それまでのストー リーは実はあまり関連がない、もしくはフィクションという場合が多い。(ユージャル サスペクスなど)


今回のゲームも「どんでん返し」系ではあるが、むしろストーリー自体が面白く、ラス トのどんでん返しは意外とさっぱりしている。


しかも、暗くなって終わるような「どんでん返し」ではなく、実に爽やかな「どんでん 返し」なのである。


さらに、常に一貫した雰囲気があるので、恐怖と興味によって、どんどん引き込まれて しまう。

 

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ゲームの内容

主人公のニコラス(マイケル・ダグラス)は大富豪の家庭に生まれ、自身も投資家として成功をしている。

そんなある日、弟のコンラッドから誕生日プレゼントとして「CRS」という会員制のクラブに招待されることで物語が展開する。

主人公のニコラスは、妻とは離婚し、投資家としての冷静な判断を日々繰り返し、人間らしい暖かさとは無縁の毎日を送っていた。

そしてある日、弟から紹介された「CRS」に向かう。

会員制クラブのようですが、一体何を行うのかは不明。

一通りの検査を終え、また普段の日々に戻りますが、後日「CRS」から連絡が入る。

それがなんと「不合格」、つまり会員制クラブには入れないということ。

しかし、ここから奇妙なことが起こり始めるのだった・・・

 

 

奇妙な雰囲気が素晴らしい

この映画は全体的に暗く、雰囲気を出すアイテム(ピエロなど)も素晴らしい。

謎の組織「CRS」をイメージすることで、どんな展開が待ち受けているのか?とてもハラハラしながら楽しめる。

「なぜ、こんな事をするのか?」「弟は何に絡んでいるの?」「ヒロインの正体は?」様々なことが交差しながら話が進む。

また、後半に突入「メキシコの墓地」は最高のアクセントとなる。

そこでリセットされてから、自宅に戻ると「競売中」の張り紙が・・・

素晴らしい計算だ。

 

美しいラストのダイブ

ラストに向かうにつれて、どんどん話が加速していく。

「CRS」の目的、そして本当の黒幕とは?

「本物の銃」というキーワードにより、観ている側も推理がまとまっていく中での混沌とした「発砲」。

自暴自棄になったニコラスは、なんとビルの屋上からダイブ。

このダイブの光景が、美しく、そして悲しく、永遠を感じるほどの瞬間を味わえるのだ。

もちろん、ここは父への伏線の回収であり、前半から刷り込んでおいた光景をオーバーラップさせることで効果が倍増する。

資産家として自分の役を演じ、弟には父の役を演じ、本当の自分がわからない状態だったのである。

信じる友もいない、妻とも離婚してしまった、孤独感。

このままだと、父と同じような道を歩むかもしれない・・・

そういったことに決別させるべく、弟はダイブまでのドラマを仕立てたのだ。

そして、ダイブ後はハッピーエンドに向かう。

あれだけの雰囲気を長時間体験させておいて、最後は悟りをひらいた様なハッピーエンドが待ち構えているのである。

このセンスが凄すぎる。

数年に1回は観たい映画だ。

 

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