※この記事には作品の感想(ネタバレ)が書かれておりますのでご注意ください。

元海兵隊の主人公トラヴィス・ビックル(ロバート・デ・ニーロ)は、戦争による後遺症がある。

それは不眠症だ。

不眠症によって、なかなか仕事にも就けず、イライラとストレスでどんどん深刻になっていく。

なんとかタクシー会社に就職し、深夜のタクシードライバーとして勤務することになる。

仕事が終わり、暇な時はポルノ映画を観るのが唯一の趣味である。

一緒に遊ぶ友達もなく、孤独な夜の生活を続けていくのであった。

そして、深夜の運転で目に入る人間の腐敗した姿に、なんとも言えない怒りを覚えるのである。

麻薬や売春婦で溢れかえる町、不眠症や希望のない生活に精神が病んでしまうのである。

タクシードライバーとして町の隅々を見て、色々な人を乗せ、悟ったような感覚に陥ってしまう。

次期大統領候補者を乗せたときも応援していることを伝えるが、難しい話はできないトラヴィス。

それが権力者への怒りともなり、自分の不幸せを悪党や権力者のせいにするようになる。

そして、そういった人物を粛清しようと、歪んた正義感に目覚めていくのである。

筋トレを始めたり、銃を揃えたり、とにかく自分を変えようとするのだ。

この様にどんどん暴走してしまうトラヴィス。

鏡の前で練習する様は、まさに狂気である。

次期大統領候補を守るシークレットサービスに「オレも入れそうか?」と聞くトラヴィスは、変な自信も持つようになる。

気持ちはすっかりヒーローなのである。

 

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モヒカン姿に驚愕

狂気のヒーローとなったトラヴィスは、なんと次期大統領候補を狙う。

町をいつまでもクリーンにできない権力者への憎悪、そして、社会的な格差からへの嫉妬により暗殺を企むのである。

そして、その姿に驚愕する。

なんとモヒカンなのである。

モヒカン姿となって、暗殺を決行しようとするのだ。

モヒカンには色々な揶揄があると思うが、これはインパクトのあるシーンだ。

当時のパンクロックブームのアナーキー的な意味合い。

ネイティブアメリカンの民族的な意味合い。

ベトナム戦争でアメリカ兵の中にモヒカンカットをする者が多かったという意味合い。

様々な意味があると思われるが、やはり、大きな決意をする為の儀式のようなものだろう。

冴えない気弱な自分を変える為の変身願望だったわけだ。

ただ、この次期大統領候補の暗殺はシークレットサービスにバレてしまい失敗に終わる。

 

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13歳のジョディフォスター

そして、次に向かうのが当時13歳だったジョディフォスター演じるアイリスの救出だ。

アイリスはスポーツ(ハーヴェイ・カイテル)にそそのかされ、売春をさせられていたのである。

それを助けようとするトラヴィス。

スポーツを射殺し、その他関係者も全員射殺する。

そして、自分を撃とうとするが弾切れとなってしまい、駆け付けた警官に取り押さえられる。

命を取り留めたトラヴィスに、アイリスの両親から感謝の手紙が送られてくる。

この事件によって、トラヴィスは正義のヒーローとしてメディアに取り上げられるのである。

怪我も回復したトラヴィスは、また深夜のタクシードライバーとして勤務する。

そして、今夜も人間の腐敗した様子をタクシーから眺めるのである。

 

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