※この記事には作品の感想(ネタバレ)が書かれておりますのでご注意ください。

スーパーヒーローが嫌われ者だったら?

これが、ダークナイトのバットマンのようなシリアス的なものでなく、ただのアウトロー的な『クズ』として描かれる点が面白い。

一応スーパーパワーで悪者を倒すのだが、その悪者が与えるよりも大きな被害をハンコックは出してしまうのだ。

今までのヒーロー物でも、敵を倒すときに建物を壊したりするが、そっちにフォーカスさせることで、今までのヒーローへの皮肉も含まれ最高だ(笑)

列車に轢かれそうな人を助けるのも、上に飛べばよいだけなのに、列車自体を壊してしまう。

本人は善意に為にやっているのだが、不器用なのである。

しかしある時、そんなハンコックをプロデュースする人物が現れる。

それがレイ・エンブリー(ジェイソン・ベイトマン)だ。

レイは「もっとハンコックは評価されるべき」という信念から「どうすればヒーローとして活躍できるか?」をハンコックに伝えていく。

この辺が物語のメインとなる展開である。

ここからどうやってハンコックは立ち直り、市民の尊敬を集めていくのか?どんどん期待が膨らむのである。

 

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後半のどんでん返し

レイの指導のよって、キャラ変更を進めるハンコック。

まずは、あえて刑務所に服役し、犯罪が増えたところで、ハンコックの必要性を思い知らせる計画だ。

そして、必要とされるタイミングで登場し、ヒーローらしい振る舞いで活躍するのであった。

市民全員がハンコックに対して拍手を送るのであった。

この辺が前半の見せ場である。

 

ここから、さらに活躍してヒーローとしての地位を確立し、巨大なボスを倒す物語に展開するのか?と思いきや、後半はぶっ飛ぶ展開をみせる。

なんと、レイの妻メアリー・エンブリー(シャーリーズ・セロン)にもハンコックと同じようなスーパーパワーがあったのだ。

このまさかの展開に、予想がつかなくなっていく。

レイがハンコックを自宅に招いた時、メアリーがあしらうような態度をしていたのもこの為だったわけである。

2人は神様が与えた「保険」のような存在で、人類を守る為にスーパーパワーが与えられている。

しかし、くっつくと災いが起こり、パワーもなくなってしまう。

よって、夫婦のような関係になった時、不死身のパワーは消え、人間のように寿命で死ぬことになる。

 

この辺の設定に対して「まぁ、映画だから」と割り切れればこの後も面白いと思う。

しかし、こういったおかしな設定に納得いかなければ、後半は完全にフェードアウトするであろう。

まぁ、たしかに設定の矛盾があるが、2人は最終的にどうなるのか?を楽しめればよいと思う。

 

夫婦となって幸せを手にするのか?

それとも、今までのままスーパーパワーと不死身の身体で人間を守るか?

 

好きだからこそ離れて生活する?

不幸になるとわかっていても一緒に生活する?

 

どっちへ向かってもラストは少し悲しいハッピーになる。

でも、それが何十年、何百年も考えた結果なのである。

 

ヒーロー物の映画で、どうしても必要な「闇」の部分を少し強引な設定で表現し、コメディ的なアクションが楽しめるハンコック。

92分という丁度良い上映時間も非常に好感が持てる。

 

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