※この記事には作品の感想(ネタバレ)が書かれておりますのでご注意ください。
視聴者を本気で騙しにくる映画も時には面白い。
この「フォーカス」はそんな作品である。
詐欺師がテーマということで、視聴者はまず『構える』。
しかし、『構える視聴者』ほど騙しやすいのか、ウィルスミスに何度も騙されてしまう。
でも、それが爽快で心地よいのである。
疑心暗鬼で構えて観てしまうと楽しみも減るので、楽な気持ちで観た方が楽しめると思う。
痛快に騙された方が、この映画に限っては得をするのである(笑)
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あらすじと感想
ニッキー(ウィルスミス)はプロの詐欺師。
ある日、バーで1人で飲んでいると、見知らぬ女性から声をかけられる。
女性の名前はジェス(マーゴット・ロビー)。
2人はどんどん良い感じになり、ジェスの部屋に行く。
すると、なんとジェスの夫が帰ってくる。典型的な『つつもたせ』の手口だ。
しかし、難なく切り抜けるニッキー。
最初からこうなることは解っており、ジェスがタイプだったので少し付き合っただけなのであった。
ニッキーのテクニックを目の当たりにしたジェスは師事を仰ぐ。
こうして、ジェスはニッキーのグループメンバーに入ることになる。
詐欺やスリは1人よりもグループで行う方が効率的であり、実際にグループで行うスリは見物だ。
グループでの大きな仕事が終わり、約120万ドルを手にしたニッキーのグループ。
後はこのお金をメンバーに振り込み一件落着。
しかし、あるアメフト観戦のVIPルームで事件が起こる。
中国人資産家とささいなギャンブルを始めるのである。
最初は少額で行っていったのだが、ニッキーはどんどん負けていく。
やがて、グループで分けなければならない120万ドルに手を出してしまう。
スポンサーリンクそう、この前のシーンでグループの一人から、絶対にギャンブルには使うなよ、と念を押されていたのだ。
ここで視聴者は、ニッキーはギャンブル狂だと刷り込まれてしまう。
だから、グループでわける120万ドルをすって、それを取り戻すストーリーになるのか?と思っていたら、実は周到に計画されていたギャンブルだったのである。
ボクはまずここで騙されてしまった(笑)
心の中で「もう止めとけニッキー」と何度も叫んだ。
結局、大勝したニッキーであったが、その帰り道にジェスを置いていってしまう。
そして、そこから3年後の話へと移っていく。
父の話も騙される
後半はF1オーナー(ガリーガ)が詐欺の標的となる。
このガリーガが開発しているエンジンのデータを盗み、他のオーナーに売りさばくという目的だ。
しかし、最終的には捕まってしまう。
その時、ガリーガの片腕の男(オーウェンズ)がニッキーを撃つ。
犯罪的なことに手を染めたくないガリーガはさっさとその場を離れる。
ただ、敵だと思っていたガリーガの片腕の男(オーウェンズ)こそ、なんとニッキーの親だったのだ。
途中で伏線となる話はあった。
「もしグルだと相手に疑われたら、グルだと思われない為にも撃て」(パニックボタン)
この解説はあったのが、オーウェンズがニッキーの父だとなかなか思えないだろう。
まず人種が違うというトリックがあり、『育ての親(義父)』ということだったのだ。
情が成否を左右する世界の厳しさを伝えるオーウェンズ。
ジェスの愛を捨てられないニッキー。
詐欺師の物語として、最後はかなりハッピーエンドで楽しめる。
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