映画「ワイルドカード」の感想・ネタバレ（78点）ステイサムがラスベガスで少し暴れる友情物語

※この記事には作品の感想（ネタバレ）が書かれておりますのでご注意ください。

ラスベガスを舞台にジェイソンステイサムが少し暴れる『ワイルドカード』。

「少し暴れる」と表現したのは、ド派手なカーチェイスもなく、アクションもこじんまりとしているからである。

ただ、今回は「ギャンブル」というアイテムがあり、いつものジェイソンステイサムにはないワイルドな所も観られる。

せっかく大金を手にしたのに、それを全てブラックジャックに使ってしまう程のジャンキーだ（笑）

いかにもギャンブル中毒っぽい「いまのオレはツイている」という根拠のない自信も面白い。

「ギャンブル」と「酒」により、アクションが控えめでも全然問題ない（笑）

ステイサムが酒を飲んでいるところを観ているだけで、最近は満足するようになってしまった自分が怖い（笑）

ロックが似合い過ぎて、ビールが軟に見えてしまうほどだ。

主人公ニック・ワイルド（ジェイソン・ステイサム）はラスベガスで用心棒をしている。

元特殊部隊のエリートであり、戦闘や危機管理能力はずば抜けているのだ。

ただ、現在は「酒」と「ギャンブル」によって堕落した生活を送っている。

そんな中、昔恋人だったホリーから連絡が入る。

イタリアンマフィアのボスの息子ダニー・デマルコから暴行を受けたのである。

復讐を望むホリーであったが、ニックは乗り気ではなかった。

なぜなら、ニックはラスベガスでしか生きられないからである。

ここでホリーに加担し、イタンリアンマフィアを敵にすれば、当然ラスベガスには住めない。

しかし、ホリーの強い要望で復讐をするのである。

そして、その時奪った金で一勝負しようとするニック。

視聴者としては「早く逃げろよ！ニック！」となるのだが、これがギャンブル中毒のサガか・・・（笑）

しかも、ブラックジャックで勝ち続け、50万ドルまで膨れ上がった。

50万ドルあれば、5年以上は遊んで暮らせる。

あ～、しかし、やっぱり止められない・・・

50万ドルを全て賭けてしまうのだ・・・

これで一文無しとなってしまったニック。

この映画の重要なカギを握っているのが、用心棒を依頼した億万長者のサイラスであろう。

サイラスはビジネスで成功しており、実はギャンブルが目的ではなかったのだ。

ニックのことを事前に調べ上げ、自分にはない勇敢さや、恐怖の克服方法を体験したかったのである。

サイラスは自分が腰抜けだということを悟っている。

そして、ニックと接するうちに秘めた勇気を引き出そうとするのである。

ラストで、イタリアンマフィアが報復しに来たとき、サイラスは歌を歌い注意をそらした。

こういった行為こそ、サイラスが求めていたものであったのだ。

そして、ニックはサイラスから夢であるヨットへの切符を譲り受ける。

それはラスベガスから去ることだったのだ。

ただ、この短期間でニックとの友情がそれほど深まったのか？は微妙（笑）

ラスト以外で2人の絆が深まるシーンはほとんどないので、50万ドルをニックにプレゼントするには、少し演出が足りなかったと思われる。

ただ、ラストのスプーンとナイフだけでの戦闘シーンは、やはり爽快だ。

アクションは文句なしでカッコイイ。これでサイラスとの関係を演出するシーンがあれば最高だった。