※この記事には作品の感想(ネタバレ)が書かれておりますのでご注意ください。

ジャッキー・チェンのハリウッド進出第一作目である『ラッシューアワー』。

ジャッキーにとって本作は、ハリウッドのマーケティングテストだったと語っており、撮影には残念ながら満足いかなかったようである。

ハリウッド風のアクションや、コメディに対して理解できなかったと後に語っている。

それもそのはず、ジャッキーの良さである危険なアクションは、保険の関係でできなくなっているのだ。

香港映画ではできたアクションも、保険の都合で危険なシーンは封印されてしまったのである。

よって、香港映画のジャッキーアクションを期待して観ると、ラッシュアワーは少々退屈な作品に映るかもしれない。

ただ、パートナーであるクリス・タッカーがいい味を出しているので、香港映画とは違うジャッキーの魅力も引き出されている。

ちなみにクリス・タッカーは『フィフス・エレメント』でも強烈な個性を出しており、本作では当たり役となっている。

 

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ラストのアクションシーン

ジャッキー映画といえば、ラストの危険アクションシーンが見どころである。

まさに「締め」のラストアクションだ。

これには傾向があり、強力な敵の場合はそのまま倒してラストを迎えるが、それほど強くない敵の場合は何からしらの危険スタントを入れる。

例えば、プロジェクトAの場合、途中で時計台落下シーンが見どころであり、ラスボスが強いのでそのまま倒してエンディングとなる。

逆に、プロジェクトA2の場合、ラスボスはそれほど強くないので、最後はデンジャラスなスタントをこなしてエンディングとなる。

本作の場合、ラスボスはめちゃくちゃ弱い(笑)

警視長のグリフィンというおっさんであり、拳を交えることもない。

ということは、今までの傾向であればデンジャラスなスタントシーンで締めることになりそうだ。

しかし、実際のアクションは高い場所から幕に落ちるという中途半端なアクション。

完全に安全牌である(笑)

もちろん、それなりの危険性はあると思うが、昔からジャッキーの危険なアクションのジャンキーには物足りなく映ってしまうと思われる。

 

ストーリー的には面白い

この様に、アクションは控えめであるが、ストーリーはなかなか面白い。

クリス・タッカーが良いスパイスになっており、最後まで飽きずに堪能できる。

お互いが絆を深めていく流れもよいし、いいかげんだったクリスが目的や責任感を持つ過程も見どころがある。

そして、得意のおしゃべり、歌、ダンスもハリウッド的に面白い。

しかし、ジャッキーチェンにとって、こういったハリウッド的なコメディはちっとも面白くなかったらしい(笑)

 

伝統のNG特集エンドロール

本作は、いわばハリウッド・ジャッキーという映画であり賛否が分かれる作品かもしれない。

しかし!エンドロールの期待を裏切らないのは流石ジャッキーである!

お馴染みであるNGシーンをエンドロールで流してくれるのだ。

やはりジャッキー映画といえば、エンドロールのNG特集。

これが作品の満足感を倍増してくれるのだ。

プロジェクトAでは、時計台落下シーンのNGシーンを公開した。

落下の途中、布が破れずに首から落ちるジャッキーは衝撃的であった。(ちなみに、このNGでジャッキーは首を骨折した)

また、敵との戦いで息が合わずに本当に殴られたり、NGシーンだけでもアクションに満足できる。

ラッシュアワーでもNGシーンは公開されるのだが、アクションは少ない。

ドラマのように、セリフのNGなどが中心となっている。

これはこれで面白いのだが、アクションが少なく、やはり少し寂しい作品であることは間違いない。

 

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