※この記事には作品の感想(ネタバレ)が書かれておりますのでご注意ください。
60歳以上の元飛行テストチームが、宇宙で衛星修理のプロジェクトを行うとしたら?
このアイディアは非常に面白い。
宇宙を夢み、様々な理由でその夢に挫折し、40年経ってまたチャンスが巡ってくる。
主人公のフランク・コーヴィン(クリント・イーストウッド)を中心に、4人のシニアが重要な宇宙プロジェクトの達成を目指す物語だ。
さて、ここまでの設定をみると、コメディ的な要素が多い。
老人達がスペースシャトルに乗って任務を遂行できるはずがない、と思うだろう。
しかし、そのコメディとリアルのギリギリを描くことで、ラストでは怒涛の感動が待っているのである。
また、エンターテイメント的な要素もあり、静かなドラマというものではなく、時にはサスペンス要素も含み、あっという間の2時間を過ごせることだろう。
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あらすじと感想
1958年、主人公のフランク(クリント・イーストウッド)と、相棒のホーク(トミー・リー・ジョーンズ)、そしてジェリー(ドナルド・サザーランド)とタンク(ジェームズ・ガーナー)はアメリカ空軍のテストパイロットチーム『ダイダロス』だった。
それぞれが宇宙を夢みて、いずれは宇宙飛行士になることを望んでいた。
しかし、政府はダイダロス計画を中止し、新しくNASAが新設されるようになる。
チーム『ダイダロス』は宇宙飛行士を諦め、技術者としての道を選ぶことになる。
それから40年経ったある日・・・
ロシアの衛星が制御できなくなってしまい、このままでは地球に落ちてしまう危険が発覚する。
その制御装置は、アメリカの技術を盗んで作られたものだった。
そして、それを設計したのが主人公フランク。
40年の時を経て、宇宙に行くチャンスを得るであった。
普通であれば、そのフランクの技術を若い技術者に教えて、地球からのサポートに回るのが現実だ。
しかし、宇宙を諦めきれないフランクの情熱と、それを実現するための駆け引きが見どころの1つである。
70歳になる手前の高齢者が、夢・仲間・情熱を再び奮い起こすシーンは、老若男女感動するはずだ。
60歳になる頃、この映画を再び観れば、また違った感情が沸き起こるかもしれない。
しかし人間というのは、いつまでも夢を追い続ける姿勢にグッとくる。
1つ間違えればコメディ映画になるところだが、この微妙なギリギリのラインで進むストーリーと、4人の主人公のキャラが見事。
ラストも良い終わり方で、観た後に大きな満足感が得られるであろう。
イーサンはなぜあのような行動をとった?
宇宙へ飛び立った後半部分、少し不可解な出来事が起こる。
それは、イーサンが独断で修理をはじめたことだ。
こういった適正力がない人物は基本的に宇宙飛行士になれないだろうし、本部からの指示が当然あるはずだ。
これは映画だから仕方ないが、せっかくコメディとリアリティのバランスを保ってきたのに残念なシーンだった。
イーサンの背景がイマイチ描かれていないので、上昇志向と、過信し過ぎている自分の力、また高齢者に負けるにはいかない、といった演出をもっと入れてほしかった。
テスト飛行で、ホークがうまく着地してしまった嫉妬?
狂ったように指示を無視して独断修理を行う背景を、もう少し丁寧に描くことで、ラストの感動も増えたはずだ。
ただ、4人の主人公のカッコよさは魅力的だった。
ラブストーリーにも展開するし、最高だ。(笑)
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