※この記事には作品の感想(ネタバレ)が書かれておりますのでご注意ください。
1994年に公開されたアカデミー賞作品であり、何十年経っても名作として語り継がれる映画だろう。
「フォレスト・ガンプ」は主人公の名前で、幼い頃からの回想から、現在へ進むストーリー展開だ。
様々なハンデキャップを持つフォレスト・ガンプ。
知能指数が普通の子より劣っていたり、背骨が歪んで普通に歩くのが困難だったり、それが原因でいじめられたり、困難の連続なのである。
ただ、純粋な心を持ち、与えられたこと(仕事)に対して凄まじい集中力を持っている。
それにより、信頼しあえる友を得たり、協力者が現れたり、ハンデを物ともせず乗り越えていくのである。
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ジェニーとの出会い
そんなフォレストに訪れた最初の壁は、スクールバスであった。
バスの中では、みんなフォレストを隣に座らせない。
しかし、一人だけ優しく接する少女がいた。
それが本作のヒロインであるジェニーだ。
そして、フォレストがジェニーを一途に愛する形で物語は進んでいく。
別れと再会を繰り返す2人
大学を卒業するフォレストとジェニー。
フォレスとは軍隊へ入隊し、ジェニーはヒッピーになる。
ここから対極の人生を歩む2人。
ジェニーは幼いころ父に虐待を受けており、強いトラウマとなっているのだ。
そういったバックボーンから、反社会的な行動をとり、自分の思うがままに生きていくのである。
それに対し、フォレストは戦地で味方を救う活躍をし、大統領から勲章を送られるほどになる。
戦地で尻に銃弾を受けてしまったフォレストは、軍病院に入院する。
そんな中、暇つぶしにはじめた卓球が全米チームに入るほどうまくなってしまう(笑)
卓球がうまくなりすぎて、世界大会にも出場。
その活躍によってジョン・レノンとも共演する(笑)
こうした様々な経験を積むフォレスト。その要所要所にジェニーは現れ、引っ掻き回す。
億万長者になるフォレスト
戦地で親友だったバッバ。残念ながら戦争で死んでしまったが、彼の夢を叶える為に今度は会社を設立する。
それが「エビ漁」だ。
舟も買って、準備は整ったが、最初は全然うまくいかなかった。
しかし、ハリケーンの影響で他の漁船は大破するもフォレストの船は無事。
そこから怒涛の大漁が続くのである。
会社も大きくなり、バッバの家族にもしっかり援助をする優しいフォレスト。
エビ漁がうまくいき、資金ができた所で、今度は「アップル」の株を買い億万長者になってしまうのだった。
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夢破れるジェニー
その一方で、ジェニーは夢破れ、失意の中、フォレストと再会するのだった。
ジェニーはフォレストを受け入れ、今度こそ結ばれるか?と思うのだが、フォレストとの格差や様々な思いから、再びフォレストのもとを離れてしまう。
常にジェニーに振り回されるフォレスト。
この辺になると、視聴者のジェニーへの憤りはマックスなのである。
一方的に去ってしまったジェニーにより、フォレストは放心状態となってしまい、そこからアメリカ横断をするほど走り続けるのである。
何度もアメリカ横断をするフォレストに、やがて応援する者たちが集まり出す。
日本の24時間テレビのマラソンのように、やがて「平和のために走る男」とメディアが取り上げるのである。
しかし、そのテレビを見ていたジェニーは、またフォレストに近づこうとするのである。
そして、ジェニーの家へ向かうためのバスを待つ冒頭のシーンから、現在進行形になる。
「どの面下げてフォレストに会うんだ!」と視聴者はジェニーに対して怒りマックス。
しかも、フォレストがジェニーの家に着くと、子供がいるではないか!
「テメー!他の男との子供なんてフォレストに見せたら、さすがにかわいそ過ぎるだろ!」とジェニーのクズっぷりに怒りを抑えられなくなる。
しかも、フォレストなんて名前を付けて、ガンプからみたら最悪な罰ゲームだ。
何度も何度もジェニー裏切られてきたが、これは本当に最低だ。
しかし!次の瞬間、フォレストが父であることを告げるのだった・・・
「おいおい、フォレスト、やったじゃないか!キミの子供だってさ(涙)」
と、視聴者は涙腺を崩壊させ、拍手を送るのである・・・
そして、真っ先に頭(知能)を心配するフォレスト。それは、もう父としての姿なのである。
これまでジェニーには散々イライラさせられた。
ただ、このように繋がるラストは見事だ。
この感動の爆発の為に、ジェニーの放漫があったわけだ。
そして、長くは生きられないジェニーにフォレストは回想を話す。
軍隊の時の事、エビ漁をしている海の風景、マラソンの時の地平線の美しさ・・・
「私も一緒にみたかった」というジェニー。
しかし、フォレストはこう言うのである。
「君もいたよ」
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