※この記事には作品の感想(ネタバレ)が書かれておりますのでご注意ください。

自己啓発系のセミナーは一種の宗教だ。

講師が「〇〇が良い」と語り、それを信じれば良いものだけが見えるようになる。

・転んで骨折した・・・最悪・・・
・転んで骨折だけで済んだ、ラッキー

考え方を変えれば、すべてがラッキーになる。

 

若干スピリチュアル的だが、情報によって人間の免疫力が高まるのは立証されている。

だからこそ今作のテーマである「イエスと言えば人生最高になる」と信じれば、免疫力が高まり、ポジティブになれるわけだ。

ポジティブになることができれば、それは良い人生が送れることになる。

「転んで骨折だけで済んだ、ラッキー」となるからである。

 

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スピリチュアルを緩和するジム・キャリーの実力

この映画、笑いの要素がなければ、結構危険な作品だ。

これを真に受けて、なんでも「イエス」といっていたら恐らく人生が狂ってしまうだろう(笑)

まぁ、最終的に本当のイエスを引き出す為と説明が入るが、これに影響を受けて悪質なセールスマンに「イエス」となったら、お金も時間も奪われてしまう。

そこで重要なのが「笑い」の要素だ。

この映画、笑いのツボが良い感じだ。

ジム・キャリーの顔芸や、演技力が流石で、普段映画で笑うことはないが、これは大爆笑してしまった。

 

シュールな展開からのお尻丸出しなんて最高の演出だ。

 

スピリチュアル的なものをジム・キャリーの力でバランスの良い映画に仕上げている。

 

実は実話だった

この作品、信じられないがは実話を元にしている。

すべの事柄に「イエス」と答え続けたら・・・という試みを作家のダニー・ウォレスが実践したのである。

それが2005年にベストセラーとなり、2008年に映画化されたのである。

ウォレスは「イエスマン」を実践するにあたり、良い面も多かったようだ。

映画のように、女性と出会ったり、様々な体験だできと語っている。

しかし、車を買わされたり、地球の反対側まで旅行することになったり、金銭的な負担は大きかったようだ。

よって、すべてに「イエス」というのではなく、「イエス」の回数を増やすことを目的にすると良いと言っている。

 

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イエスマンのあらすじと感想

主人公のジム・キャリーは、離婚歴もあり、仕事も身が入らず、友達関係も悪化していた状態だった。

あまり人と関わらず、静かに家で一人で映画を楽しむような毎日だ。

そんな時、偶然知り合いと出会い刺激を受ける。

それは、どんなことも「イエス」と答えるという習慣だ。

ジム・キャリーが務めている銀行の窓ガラスに石を投げつけたり、「イエス」の生き方に少しずつ惹かれていく。

そして、いよいよ「イエス」を広めている講師のセミナーに参加するのである。

そこで、自分に「イエス」の誓約をすることになる。

はじめは半信半疑であったが、「イエス」を行うことで不思議なことが起き始めるのである。

彼女と出会ったり、昇格が決まったり、飛び降りようとする男を救ったり、人生がポジティブに向かうようになる。

そんなある時、テロリストと間違えられ、「イエス」といわなければならい状態だったことを彼女に知られてしまう。

彼女が勇気を振り絞って言った「同棲しよう」の答えも、義務的に「イエス」と言ったと思い幻滅するのである。

実はジム・キャリーも同棲には慎重だったのである。

そんな中、講師に「イエス」の義務化をやめたいと言ったところ、実はすべてにイエスという必要はないということを教えられる。

なるべく多くイエスといって、渾身のイエスを言えるようになることが目標であることを知る。

それを聞いて、彼女に本心を打ち明け、ハッピーエンド。

 

以上が簡単なあらすじだが、自己啓発とコメディの両輪がうまく回る、バランスの良い映画である。

 

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