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※この記事には作品の感想(ネタバレ)が書かれておりますのでご注意ください。

近年は、重くて濃密なテーマを扱うことが多いイーストウッド。

グラントリノ、ミリオンダラーベイビー、アメリカンスナイパーなどなど、深く考えさせられる作品だ。

ただ、その為には少しショッキングな描写も必要となり、感動と対極にある演出をすることで、盛り上げることも多い。

だらかこそ、そこが重すぎてイーストウッドが苦手な人もいることだろう。

しかし、安心してほしい。

この『人生の特等席』は重すぎず、軽すぎず、丁度よいノスタルジックな人間ドラマが味わえるのだ。

原題は『カーブの問題』。

今回は邦題の方がボクは好きだ。

人生の特等席という意味がわかった時、死んだりするようなショッキングな描画なくても、人を感動する作品が作れることを証明してくれた。

それぞれ登場人物のカーブを描くと同時に、イーストウッドの重いストレート作品の中で、見事な変化球をみせてくれる映画なのである。

 

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高性能・高収入よりも特等席にいたい

この映画は一言でいうと、父と娘の愛の物語である。

頑固で不器用な父と、弁護士で上昇志向の強い娘。

この2人の擦れ違いの原因と、和解を目指すギクシャクの中で見えてくる真実がテーマである。

なぜ娘のミッキー(エイミー・アダムス)は上昇志向が強くなってしまったのか?

それは父に認められたいからである。

父に少しでも認められたいから、土曜日を返上して仕事をし、出世を目指している。

では、なぜそんなにも父に認められたいのか?

それはミッキーが6歳の時、父(イーストウッド)がでかけたまま帰った来なかったトラウマがあるからである。

親戚にあずけ、数年間ミッキーと会わなかったのだ。

ミッキーはずっとそれがひっかかっていた。

なぜ?

自分より仕事の方が大切なのか?

自分は大切ではないのか?

だからこそ、振り向いてほしい気持ちで、頑張って弁護士となったのだ。

父のそば(特等席)にいることが、ミッキーにとっての本当の幸せだったのだ。

こういった側面があるからこそ、社会的な地位もあり、経済的にも裕福な弁護士の同僚男性にプロポーズにも振り向かないのだ。

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そして、なぜ父(イーストウッド)が娘を置いていってしまったのか?

ミッキーが6歳の時、少し目を離したすきに、変態おやじにいたずらされそうになったからである。

父(イーストウッド)は、その変態おやじを半殺しにしてしまったのだ。

なので、行方をくらます必要がったというわけだ。

思い出させない為に、本当のことは娘に伝えず、ずっと黙っていたのである。

そして、頑固で不器用な性格から、それからも愛を表現できないでいたのだ。

イーストウッドが妻のお墓で娘の相談をするシーンは、娘を持つ親は泣けるシーンだ。

 

ラストは爽快ハッピー

パソコンのデータを頼りにスカウトをする若いエージェント。

実際に観て、音や五感で見分けるイーストウッド。

球団のトップはどちらの意見を採用するのか?

残念ながら、球団は若いエージェントの意見を採用してしまう。

しかし、娘が偶然発掘したピッチャーが無名ながら、とんでもない逸材だった。

ラストは爽快なハッピーが訪れるのである。

 

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