映画「デンジャラス・ビューティー」の感想・ネタバレ（78点）サンドラ・ブロック渾身のコメディ

※この記事には作品の感想（ネタバレ）が書かれておりますのでご注意ください。

仕事に夢中で男っ気がない主人公グレイシー・ハート（サンドラ・ブロック）。

小さな頃から正義感が強く、男勝りな性格だ。

この様な性格から、FBI捜査官になったグレイシーであったが、おっちょこちょいな面もあり仕事では結構ミスをしてしまう。

頭も良く身体能力も高いグレイシーなのだが、容姿を構わなかったり、マナーを気にしなかったり、変な所でマイナス評価をされてしまう。

そんなある日、「シチズン」という連続爆弾犯から犯行予告が届く。

ミス・アメリカ・コンテストにて爆発を起こすという内容であった。

そこで、FBIは潜入捜査を行い事前に防ぐ案を出すのだが、その潜入捜査を行う女性捜査官がなかなか見つからない。

そこで白羽の矢が立ったのが「ミスコン」とは無縁のグレイシーなのであった。

この映画の弱点は、髪がボサボサでもサンドラ・ブロックが魅力的なことだろう（笑）

男勝りの女性捜査官がミスコンで大変身というコメディなのだが、ゲップをしようと、何をしようとサンドラ・ブロックの魅力は隠せないのである。

最初はミスコンをバカにしていたグレイシーであったが、参加者と接するうちに皆と親友になっていく流れは素晴らしい。

こういった偏見はみんな持っていると思われる。

外見だけで中身はカラッポというイメージだ。しかし、本作の中では参加者全員が魅力的な人物像で描かれている。

自信のなさを押し殺してプレッシャーと戦ったり、敵のはずなのに助けてくれたり、みんないい奴なのである。

この視点の描き方は観ていてハッピーになれる。

誰も信じず、蹴落としていく！というガツガツした感じは出さず、心温まる内容となっている。

本作でマイケルケインが美容コンサルタント（トレーナー）役として登場する。

男勝りで化粧の仕方もしらないグレイシーを、ミスコンで優勝させる為である。

そのテクニックは凄まじく、数日間でグレイシーをミスコンで戦える姿にさせるのであった。

ラストまで非常に重要な役であり、マイケルケインがいるだけで全体が引き締まる印象だ。

コメディの中でも締める所は締めることが出来る俳優であり、さすが、その存在感は凄い。

高齢ではあるが、人気監督がマイケルケインをキャスティングしたがる理由がよ～くわかる。

本作は誰と観ても楽しめる映画である。

また、誰かを傷つけるような表現もなく、主人公の勇気や友情などがテーマとなり子供も楽しめると思う。

ミスコンでは絶対にいるはずの「いじわるキャラ」もいなくて、人間関係にドキドキするシーンもほとんどない。

だからこそ、ハラハラドキドキ感は少なめかもしれないが、安心して観られる作品なので、人によっては何度も観てしまう映画だと思う。