※この記事には作品の感想(ネタバレ)が書かれておりますのでご注意ください。

本作『パッセンジャーズ』は何の予備知識も持たず観たのだが、ラストまで非常に楽しめる映画だった。

墜落事故から物語が始まり、その生存者達の心のケアをするセラピストが主人公クレア(アン・ハサウェイ)である。

生存者を集め、グループカウンセリングを行うクレアであったが、生存者の証言がどんどん明らかになってくる。

航空会社の説明ではパイロットの操作ミスということであったが、生存者はエンジンの出火を見ていたのである。

「航空会社に何か隠し事があるのか?」

この様なミステリー要素を見せつつストーリーが展開していく。

カウンセリング中に突如現れる謎の男や、クレアが墜落事故の調査をしようとすると阻止する航空会社の男。

そして、生存者に備わる特集な能力などなそ、冒頭からどんどん引き込まれていく。

 

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ネタバレ

この様に、航空会社の陰謀的な話かと思っていたら、それ自体がミスリードだったのだ。

生存者は実はすでに墜落事故で亡くなっていて、魂が彷徨っていたのである。

そして、突如現れる謎の男性や女性は『お迎え』だったのだ。

こういった『お迎え』って日本だけの風習だと思っていたら、世界共通だったと知り驚いた(笑)

そして、主人公であるクレア自身も墜落した飛行機に乗っており、亡くなっていたのであった。

その記憶をラストで取り戻す様子は、非常にリアリティがある。

恋仲となるエリック・クラークが、クレアに姉妹がいること、そして、コーヒーに砂糖をミルクを入れることなど知っていた理由も描かれる。

墜落した飛行機で席が隣同士だったのだ。

だからこそ、クレアの趣味・趣向を知り、それが超感覚的知覚と錯覚したのだ。

しかし、物語では恐怖体験をしたことによって超感覚的知覚になったと描かれるのである。

この辺のパズルがどんどんハマっていくラストは、爽快なのだが、悲しく切ないのである。

そして、直前までケンカしていた姉へのメッセージは号泣してしまうのだ。

 

心理サスペンスという前提で観ると良い

この映画は予告も見ずに、ただ心理サスペンスとだけインプットして観ると最高だ。

構えると絶対に面白くない。

構えた結果「途中でオチがわかっちゃったぜぇ~」と悦に浸る輩もいるが、非常にもったいない。

『パッセンジャーズ』は、途中で伏線やヒントも多くフェアに作られている。

しかし、生存者のケアをする心理サスペンスという前提で観て、ミスリードに見事にひっかかるべきだ。

「組織ぐるみの陰謀なのか?」とか「航空会社の秘密を暴露しろ!」など、感情的に観ると面白い。

また、アンハサウェイのキラキラした感じと、作品のどんよりした感じのコントラストがまた良い雰囲気を出している。

そして、人生は短いというメッセージと、大切な人を大切にしたいと見終わった後に感じる映画である。

 

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