※この記事には作品の感想(ネタバレ)が書かれておりますのでご注意ください。

ロビン・ウィリアムズとマット・デイモンがドンパチすれば、そりゃ凄い映画になる。

天才と心理学者のファーストコンタクトは非常に見応えがある。

ただ、そういった心理的な戦いをギスギスやり合うのではなく、心の交流を描いた点が素晴らしい。

ウィル・ハンティング(マット・デイモン)は、本を読めばすぐに記憶し、大学教授でも解けないような難問も見事に解いてしまう。

そんなウィルは、大学生ではなく、大学で清掃員としているアルバイト。

ある日、数学科教授であるジェラルド・ランボーが出した難問を簡単に解いてしまのだった。

その才能に気づくランボー教授だったが、ウィルは何度も鑑別所のお世話になっている問題児だと知る。

しかし、それは孤児として育った環境が影響しており、心の闇が深いことが理由であった。

素晴らしい才能をもっているのに、それが発揮できない環境にいるウィル。

そんなウィルの心の闇を払おうと奮闘するが、ほとんどのカウンセラーがお手上げ状態。

そこで登場するのが、ランボー教授の友人である心理学講師のショーン・マグワイア(ロビン・ウィリアムズ)だ。

 

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ショーンにも深い傷が…

ショーンのカウンセリングを受けるウィルだが、他のカウンセラーのように最初はからかっていた。

しかし、ショーンも最愛の妻を亡くし、心に深い傷を負っていることに気づくウィル。

お互い深い悲しみを背負っていることで、やがて打ち解けていくのであった。

 

この様に、カウンセリングというより会話することによってウィルと接するショーンが、この映画の見どころの一つでもある。

そして、最終的にはショーンもウィルの成長に開花されていくのだ。

 

トラウマの乗り越え方

ウィルは里親の虐待など、様々なトラウマを持つ。

それにより、彼女ができても先に別れを切り出してしまう。

なぜなら、捨てられる恐怖を過去に体験しているからだ。

よって、捨てられるより、先に捨てることで自分を守ろうするのである。

この様に、過去の恐怖により、新しいことに挑戦ができないでいる。

小さな世界で安心している方がよいからである。

実はこれ、ほとんどの人が経験していることではないか?

小さいころに言われた一言や、親が教育のつもりで言った一言。

その一言が無意識の中で記憶され、一歩が踏み出せない人は多いと思う。

もちろんボクにもそういった経験はある。

よって、この作品のウィルのように天才でなくても、孤児でなくても、みんなチャレンジに対する恐怖は持っているはずだ。

しかし、その恐怖を打ち消してくれたものは・・・

 

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ずっと罪悪感があったウィル

彼女を捨てたこともそうだが、ウィルは自分が傷つけられる前に、相手を傷つけ突き放す。

それは冒頭の嫌味な学生に対しても同じだ。

執拗なくらい叩きのめしてしまうのである。

しかし、そんな自分に対して本当は罪悪感を持っていたのである。

そんなウィルに対してショーンは「キミは悪くない」と何度も囁くであった。

これが、この映画のテーマである『愛』だ。

 

親友チャッキーは、お前の才能は宝くじと同じだ、だからここにいるな、と言う。これも『愛』だ。

そして、ランボー教授の『愛』にも気づく。

つまり、ショーンの「キミは悪くない」という言葉で、ウィルは『愛』を受けいれることが出来るようになったのだ。

で、その最初にすることは・・・

酷い事したスカイラーに会いに行くことだったのである。

ラスト、スカイラーに会いにいくことに納得ができない人も多いと思う。

しかし、愛を受けるれることが出来るようになったウィルがまず最初にすることは、スカイラーに会うことだったのだ。

その後にでも自分の才能を使えばよい。

『才能より愛』

これを一貫して伝える映画だったのである。

ショーンは重要な野球の試合よりも、そして仕事でメダルを貰うことよりも、愛する妻を優先してきた。

そして、そのことに対して「一切後悔していない」と言う。

逆にメダルを貰ったランボー教授はどうだ?

次なる才能ある者が登場したら安眠できなくなるのである。

こういったそれぞれの背景をみていくと、この映画の奥深さが伝わってくるのである。

 

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