※この記事には作品の感想(ネタバレ)が書かれておりますのでご注意ください。
デンゼル・ワシントンとアンジェリーナ・ジョリーのダブル主演映画「ボーンコレクター」。
濃厚な本格サスペンスとホラー要素が加わり、かなり重い2時間が味わえる(いい意味で)。
普通のサスペンスではなく、脊髄不随となった寝たきりの天才科学捜査官リンカーン・ライム(デンゼル・ワシントン)と、天性の嗅覚を持つ巡査アメリア・ドナヒュー(アンジェリーナ・ジョリー)が協力しながら事件解決を目指すサスペンスとなっている。
ベッドから指示を出すライムと、現場で指示に従うアメリアのコンビが見どころの映画だ。
ライムは少ない証拠から、犯人の目的を導いていく。
その天才的な頭脳によって、署内からも頼りにされている。
そして、アメリアは現場で臨機応変な対応ができ、重要な証拠を見逃さない洞察力がある。
他の捜査官に現場を荒らされることを恐れるライムは、一番先に証拠を採取するためアメリアを1人で行かせる。
この過酷な指示に、最初は戸惑っていたアメリアであった。
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お互いが困難を壁を乗り越える
この映画の素晴らしい所は、ライムもアメリアもお互いに深い悩みがあり、それを2人で乗り越えようとする所である。
アメリアは過去に警官だった父が自殺をしている。
それがトラウマとなって、警察官として優秀な才能があるのに事務職を希望していたのである。
そういった経歴を調べたライムは、アメリアに伝えのである。
「DNAに運命は刻まれていない、運命は自分で切り拓くのだ。親の人生と自分の人生は違うものだ」と。
この言葉によって、過去のトラウマから解放されたアメリア。
そしてライムの方はというと、発作を重ね植物人間になることに恐怖を感じていたのだった。
もし、そうなるであれば、自分で尊厳死を選びたいと思っていた。
しかし、絶縁状態の姉に声をかけてくれたりするアメリアの愛によって最後まで生き抜くことを決意するのであった。
この2人で困難に立ち向かう姿が、ただのサスペンスに収まらない作品に仕立て上げているのだ。
犯人の目的は?
犯人リチャードの目的は簡単に言うとライムへの逆恨み。
冒頭でも登場した心拍装置をチェックする人物である。
リチャードは元警官であり、悪いヤツを捕まえる為に血痕偽装をしていたのだ。
その捜査をしていたのがライムであり、ライムの捜査によってリチャードの偽装がバレてしまい、リチャードは服役することになる。
服役すると、元警官というで他の囚人から目の敵にされ、毎日屈辱的なことをされていた。
その逆恨みが今回の事件の目的である。
ライムが事件を解決するよりさきに被害者を殺したり、証拠をあえて残したり、ライムへ挑戦していたわけである。
そして、ジワリジワリ苦しめ、最後はライムを殺そうとしたが、相棒のアメリアによって阻止されるのであった。
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ライムの生きる力
植物人間になることを恐れ、尊厳死を望んでいたライムであったが、リチャードが殺しに来ると、必死に抵抗するライム。
身体は動かないが、知恵を働かせ、ピンチをくぐり抜けようとする。
つまり、本能では「生きたい」と感じていたわけである。
ベッドを倒して、指を挟ませたり、スキをついて首を噛みちぎったり、必死に生き延びようとする姿もしっかり描かれているのだ。
この様に、ライムが本能的に生きることを選ぶ所も見どころの一つである。
セルマとチェイニーはどうなった?
ライムの看護をしていたセルマとチェイニー警部は、ラストに犯人に刺される。
ただ、この2人が確実に亡くなったという描写はない。
よって、生きている可能性も否定はできない。
クリスマスパーティーは入院中だったのかもしれない。
しかし、監督がメイキングのインタビューで「セルマとチェイニーは死んだ」と語っている。
最初は生きていることにしようとしたが、やはりあの状態で全員が生きているのは少しリアリティに欠けてしまうのであろう。
セルマは非常に良いキャラだったので、かなり残念である。
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