※この記事には作品の感想(ネタバレ)が書かれておりますのでご注意ください。

ブルース・ウィリスとブラッド・ピットの共演ということで当時話題になった作品である。

また、タイトルである『12モンキーズ』というのも興味深く素晴らしい。

内容はSF映画であるが、リアリティのあるミステリーで非常に引き込まれる。

ウイルスによる人類滅亡と、それを防ぐ為のタイムトラベルがベースになるのだが、主人公が「一体何が真実なのか?」混乱していく様子が見事に描かれている。

この演出がとてもよくできていて、従来のタイムトラベル映画よりもリアリティのあるシーンが多い。

 

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あらすじ

2035年、人類は謎のウイルスによって地上に住むことはできなくなっていた。

99%の人類が死滅し、残った人類は地下に住むこととなる。

そんな中、科学者たちはタイムマシンを発明し、ウイルスの謎を解明しワクチンを作るプロジェクトを開始する。

そして、100%安全ではないタイムマシンに乗るのは犯罪者である。

服役中の犯罪者を選びだし、タイムマシンで過去へ送り、調査をさせるのである。

そこで選ばれたのが主人公ジェームズ・コール(ブルース・ウィリス)。

ジェームズはタイムトラベルをしながら、ウイルスの真相に迫ってくいのであった。

 

演出が見事すぎる

地下生活を送っていたジェームズの演出が見事過ぎて、映画のリアリティが倍増する。

まず、不健康そうな演技が素晴らしい。

とにかく咳をしたり、気怠そうにしたり、地下生活がどんなものであったのか?間接的にわかるようになっている。

そして、太陽の光をみるブルースウィリスの表現力は脱帽だ。

ウイルスによって、人類がどんな生活になってしまったのか?

あの咳や不健康さなどで、どんどん伝わってくるのである。

さらに、精神科病院では鎮痛剤を打ちまくられ、主人公の思考についても「何が本当なのか?本当にタイムマシンでやって来たのか?」わからなくなってくる。

 

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ラストの解釈は?

ジェームズが何度も観ていた夢のように、空港での銃撃戦が始まる。

撃たれたのは自分自身であり、その場にいたのは子供の頃の自分だったのである。

真犯人は12モンキーズとはまったく関係のない、ドクター・ピータースであった。

そして、ラストの機内の中、ドクター・ピータースの隣には未来の科学者が座っている。

ジェームズをタイムマシンで送り出した科学者である。

その科学者は自身を「救済保険業」と呼び、様々な解釈ができるようになっている。

ストレートに受け取ると、ジェームズがしくじった時の保険としてやってきたという意味にもとらえられる。

この場合、ドクター・ピータースの野望を阻止することができる。つまり人類は救われ、2035年もワクチンが作られ人類は復活する。

そして、もう一つの解釈は科学者が若い頃、たまたまドクター・ピータースの隣に乗っていたというものだ。

これは「皮肉」を表しており、真犯人はお前の隣に乗ってたんだぞ、というオチとなる。

どちらにも解釈できるのであるが、どちらが正しいのか?実はヒントがあるのだ。

それは「容姿」である。

タイムトラベルを行うと、2035年の姿のまま時間を移動する。

ブルースウイルスも2035年の姿のまま過去に戻っている。もし、その時代の姿になるのであれば、ブルースウイルスは少年の姿になるはずだからである。

つまり、科学者の容姿が2035年のままであるか?それとも40年前のことであるか?によってラストは変わるのだ。

ラストでドクター・ピータースの隣に座っている科学者の年齢は?

2035年のまま?

それとも、1996年の若い頃の科学者?

2035年の姿であれば、未来は変わる。

しかし、1996年の姿であれば、結局は未来は変わらない。

まず、2035年の科学者の容姿がこちら。

 

そして、ラストで飛行機に乗り込んでいるのがこちら。(1996年)

 

どうみても40歳の差はない。

ということで、2035年の科学者が空港でのジェームズの電話をヒントに、1996年に自らやってきたという解釈で間違いないと思われる。

つまり、ワクチンが開発できるので、過去も未来も人類は助かるのである。

 

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