※この記事には作品の感想(ネタバレ)が書かれておりますのでご注意ください。

『ディープインパクト』は隕石衝突のディザスタームービーであるが、ド派手な破壊シーンを強調するのではなく、人間ドラマにスポットライトを当てた作品である。

『2012』のように、中盤からガンガン破壊される映画ではなく、危機に直面した時の人間の尊厳など丁寧に描かれている。

つまり、どちらかというと静かな映画である。

ドタバタパニック映画ではないので、そういった破壊シーンを期待している方は注意が必要だ。

ラストの破壊シーンは圧巻だが、それ以外は「自己犠牲」の精神がメインテーマに描かれている。

 

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複数の主人公

『ディープインパクト』は複数の主人公を中心に、複数のストーリーで物語が展開されていく。

・キャスターのジェニー
・天文学が好きな高校生リオ・ビーダーマン
・宇宙飛行士フィッシュ

以上の3人が、地球滅亡を目前に「大切なもの」に対してどう向き合うか?を考えるのである。

キャスターのジェニーは、早くから彗星の接近情報を知っていた。

そして、シェルターへの非難にも選ばれる。

しかし、最後はシェルターの席を友人の親子に譲り、遺恨のあった父との和解を優先する。

父との和解を果たしたジェニーは安堵の表情を浮かべながら高波に飲み込まれてしまう。

そして、天文学が好きなリオ・ビーダーマン。

リオが彗星を発見したことによって、地球衝突が判明され、シェルターへの非難に選ばれる。

しかし、愛する恋人と離れることはできず、シェルターの席を破棄して恋人をむかえにいくのである。

なんとか高台に避難し、被害を受けずに済むのであった。

ちなみにリオ・ビーダーマンを演じたのは『ロード・オブ・ザ・リング』でお馴染みのイライジャ・ウッド。

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そして、宇宙飛行士のフィッシュ。

すでに年配であり、乗組員からも最初は疎んじられていた。

彗星を核爆弾で破壊する重要な任務であったが、最初の爆弾投下は失敗してしまう。

しかし、残りの核爆弾を使って宇宙船ごと彗星と爆発する道を選ぶのである。

これにより、彗星の被害を最小限に抑えることができて地球は救われるのである。

宇宙飛行士たちは自分の命を犠牲に、彗星衝突の危機を救うのであった。

 

モーガンフリーマンで作品が締まる

こういった地球滅亡的な作品で重要になるのが大統領役であろう。

やはり、アメリカの大統領が中心になるからである。

本作ではモーガンフリーマンが大統領役を務め、見事な演技をみせてくれる。

パニックを避ける為に、微妙なトーンで演説をするシーンは必見だ。

メサイア作戦も失敗し、残された術は何もない人類に対して、静かにテレビ中継するのである。

また、最後までシェルターに逃げない姿勢や、乗組員が命を犠牲にしてくれたことなど、危機を回避した後の説得力も抜群である。

 

破壊シーンも迫力満点

小さい方の彗星が地球に衝突するのであるが、その高波が起こるシーンは圧巻だ。

様々な計算をしてリアルに描いたのであろう。

圧倒的なスピードで高波が襲ってくる。

そして、いっきに街まで押し寄せ破壊していくのだ。

この高波が街を襲うシーンは迫力が凄い。

ただ、津波を連想してしまうことになるので、津波を思い出したくない方は注意が必要である。

『2012』のディザスターには少し負けるが、高波のリアリティは本当に凄い迫力である。

 

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