※この記事には作品の感想(ネタバレ)が書かれておりますのでご注意ください。
ハル・ベリーとブルース・ウィリスのスリリングなサスペンス作品『パーフェクト・ストレンジャー』。
頭も良く、外見も良い主人公ロウィーナ・プライス(ハル・ベリー)は敏腕女性記者。
冒頭では議員のスキャンダルを暴き、その才能や実力を視聴者に印象付けている。
結局は圧力によってそのスクープ記事がボツになるのだが、上司に噛みつくシーンなど主人公の性格を開始5分でわかりやすく演出している。
そんな主人公がある日、幼馴染が殺害されたことを知り、真相を暴く為に翻弄するというストーリーである。
幼馴染を殺害した真犯人は誰か?サスペンス的な展開になっていく。
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あらすじ
殺害された主人公の幼馴染グレース(ニッキー・エイコックス)は、殺害される数日前にロウィーナと会っていた。
その時の話によると、グレースは少し前まで大手広告会社の社長ハリソン・ヒル(ブルース・ウィリス)と不倫をしていて、虫けらのように捨てられたので、その腹いせに記事を書いて欲しいというものだった。
ロウィーナは記者なので、大手広告会社社長のスキャンダルを暴露して欲しかったのである。
※実はここも結構伏線となっていて、グレースを嫌な女として演出している。
渋りながら承諾するロウィーナであったが、その数日後、グレースが遺体で発見されるのである。
この様な展開から、広告会社社長ハリソン・ヒルの口封じだと考えるロウィーナであった。
そしてロウィーナは元同僚であるマイルズ・ハーレイ(ジョヴァンニ・リビシ)とコンビを組み、ハリソンの会社に潜り込むであった。
もし、ハリソンが口封じの為にグレースを殺害したのであれば、冒頭の議員のスキャンダルよりも大スクープとなる。
2人はこの大事件にどんどんのめり込んでいくのであった。
映画のキャッチコピーが最悪
この作品の最大の失敗はキャッチコピーであろう。
「ラスト7分11秒。あなたは絶対騙される。」
こんなキャッチにしてしまうと純粋にサスペンスは楽しめなくなってしまう。
もちろん、このキャッチによって見込み客の興味性を高め、映画館に足を運んだ人も全世界でかなり多いと思われる。
しかし、それは諸刃の剣であり、商業的には成功したかもしれないが、作品に対しては泥を塗っているのと同じである。
「1人でも多くの人に作品を観させる」という基準で考え時にこのキャッチコピーは100点満点である。
しかし、「観てくれる人」を基準に考えた時にこのキャッチコピーは0点である。
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ラストの真犯人について
この映画の素晴らしい点は、キャラが絞り込まれている点である。
主要なキャラクターは4~5人しかいない。
だからこそ、「あのキャラが真犯人かも?」と想像していくのが楽しいのだ。
そして、それぞれのキャラには「隠し事」がある。
主人公ロウィーナとコンビを組んでいたマイルズは、実はロウィーナのストーカーであり、相当なサイコ野郎だった。(ただ、どんなにロウィーナに協力していも男として見て貰えない哀れさは少し同情してしまう。)
そして、ハリソンも相当な浮気性であり、常に妻に隠れながら出会い系チャットをしている。
そんなハリソンの秘書を務める美女も実はレズであったり、それぞれのキャラに「隠し事」がある。
そして主人公ロウィーナ。
ロウィーナにも「隠し事」があったのだ。
それは、幼き頃に義父に虐待をされており、みかねた母が義父を殺害してしまったのである。
その遺体を埋めている所を幼馴染だったグレースに見られていたのだ。
つまりグレースを殺害したのは、なんと主人公であるロウィーナだった。
ロウィーナの「隠し事」を唯一知っているグレースは、昔からロウィーナを脅迫していたのだ。
だからこそ、ロウィーナの彼氏もグレースは奪っていたのだ。
そして、広告会社社長とのスキャンダルというタイミングでグレースの殺害を決意したのであった。
しかし、結局は相棒のマイルズにバレてしまう。
そして、マイルズもロウィーナを脅迫するのであった。
しかし、ロウィーナはマイルズも殺害し、今回のすべての犯行をマイルズに仕向けようとする。
しかし、その光景を隣に住む住民が目撃している・・・
確かに、ラストの畳み掛けは目まぐるしく、新しいサスペンス的な展開であった。
だからこそ、あんなキャッチコピーを使わなくても、面白いモノは口コミで広まったはずだ。
作品の出来を信じていれば自然に商業的にも成功したと思うので、そこは本当に残念である。
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