※この記事には作品の感想(ネタバレ)が書かれておりますのでご注意ください。
冒頭に『この物語は実話である』で出るが、これは実話にみせる為の演出である。
ただ、実話だと自分に言い聞かせてみると非常に面白い(笑)
ハリウッド映画ではお馴染みの『ご都合主義』は一切なく、計画がどんどんおかしな方向へ向かう展開は非常にリアルである。
計画的な狂言誘拐だったはずが、イレギュラーが重なり殺人事件へと発展していく。
そして、登場人物それぞれの関係も興味深く、どんどん引き込まれていく。
狂言誘拐を企んだジェリーはとにかく金欠(借金苦)であり、お客や家族を騙してでも何とか現金を手に入れたいと考えている。
その結果、会った事もないチンピラ2人(カールとゲア)に妻を誘拐させるのである。
その妻の実家は裕福であり、身代金を引き出せると考えたのである。
カールとゲアはジェリーの妻を誘拐したのだが、その帰り道にカールのミス(ナンバープレートの付け忘れ)で警察官に職務質問されてしまう。
賄賂で切り抜けようとするカールだが、見向きもしない警察官。
そんな警察官をゲアは射殺してしまう。
すると、そこへ運悪く車が通りかかる。
ゲアはすぐに追いかけ、車に乗っていた2人も射殺してしまう。
つまり計3人も殺してしまったのだ。
狂言誘拐のはずが、大きな殺人事件になってしまったのである。
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アカデミー賞の妊婦警官を演じたフランシス・マクドーマンド
この作品でアカデミーの主演女優賞を受賞したフランシス・マクドーマンド。
妊婦の警官役がめちゃくちゃハマっている。
2017年に公開された『スリー・ビルボード』でもアカデミー主演女優賞を受賞している。
この様に複数回受賞という快挙を達成した大女優なのである。
本作ファーゴでも見事な演技を披露してくれている。
話の流れにおいて、ほとんど関係ないシーンも多く、実話っぽさを演出しているのが結構目立つ。
そうったシーンこそ、この映画の見どころの一つと言えるであろう。
トラウマになるラストの木材破砕機
どんどんエスカレートしていく犯人2人組。
身代金を持ってきたジェリーの義父も殺して、金を奪って逃走をする。
当初は身代金8万ドルの予定だったが、ジェリーが義父の足元をみて100万ドルを要求していたのだった。
ゲアはそれを知らない為、カートは独り占めを企む。
アジトに戻りゲアと8万ドルを分け合うカート。
しかし、車も独り占めしようとしてゲアと口論し、結局殺されてしまうのだ。
ゲアの知らない大金があるから車なんてどうでもいいのに、最後までバカな男だったのである。
そして、衝撃のラストが始まる。
2人のアジトを見つけた主人公マージが見た光景は背筋が凍りつくものだった。
なんと、木材破砕機に先ほど殺したカートを入れているのである。
血がジュースのように吹き出て、雪を真っ赤に染め上げるのであった。
この衝撃のラストはトラウマになる可能性が高い。
ラストに近づき破砕機の音が聞こえ出したら心の準備をしておこう(笑)
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