※この記事には作品の感想(ネタバレ)が書かれておりますのでご注意ください。

精神病の犯罪者だけを収容する島。そして、その島から一人の女性が消えた・・・

そこで登場するのが連邦保安官ダニエルズ(レオナルド・ディカプリオ)とチャック(マーク・ラファロ)だ。

この2人が島で起きた女性患者失踪事件を担当するのである。

少ない手がかりから、どのような事件解決になるのか?冒頭から引き込まれていく。

島の雰囲気も素晴らしく、怪しい医院長など、世界観も抜群だ。

そんな推理モノだと思っていたら、まさかの展開に驚愕していく・・・

 

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あらすじ

島全体が精神病院となっている中で、主人公ディカプリオが事件の捜査をしていく。

消えたレイチェルという患者を探していく推理モノだと前半は思う。

しかし、中盤になると何やら様子が変わっていくのだ。

医院長がマインドコントロールの研究をしていて、患者は実験道具なのである。

そして、これは島ぐるみの犯行であり、島から与えられた食品、飲料、タバコなど、すべて精神にダメージを与え、自分の患者にしてしまうという計画だと知るのであった。

 

どんでん返し

と、思わせておきがなら、実はコレ全て主人公の幻覚なのであった。

主人公はこの精神科病院の患者であったのだ。

妻が重度の鬱病であり、子供を失ってしまった絶望から、妻を殺めてしまい精神に異常がでてくるのだ。

作品の途中で何度も妻を回想するシーンは伏線なのであった。

そして、自分は連邦保安官として別人格になるきるのである。

しかし、その人格は暴力的であり、他の患者にも影響を及ぼしてしまう。

よって、医院長は「ロボトミー手術」を検討するのである。

「ロボトミー手術」とは緊張や興奮を除去する手術で、患者の興奮状態を抑える効果がある手術である。

しかし、その副作用として人格が失われる危険性がある。

つまり、暴力性を落ち着かせることができるが、患者の人格を変えてしまうことにもなるのである。

主人公のテディ・ダニエルズは、実はアンドリュー・レディスなのである。

ダニエルズは自分で作り上げた架空の人物であり、暴力的な連邦保安官という人格なのだ。

ロボトミー手術をすることで、このダニエルズという人格は消え、元のレディスに戻る可能性は高い。

そんな中、ラストでは二重人格を理解している様子が描かれ、一方の人格を消す苦悩を表現されている。

 

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妄想と現実

『シャッターアイランド』では妄想と現実のヒントをしっかり提示している。

それは「火」と「水」である。

「火」が関わるシーンでは、それは妄想であることを暗示している。

逆に「水」に関わるシーンは現実となる。

これがポスターにも表現されているマッチの火である。

また、洞窟で出会った元医者であったという女性は妄想であり、島の陰謀を掻き立てる役割となっている。

この洞窟内でも火を焚いており、妄想だと表現されているのである。

逆に「水」は現実を表しており、子供たちと池や、冒頭の船で気分を悪くするのは現実に戻る恐怖を表現している。

 

妻の回想シーンが美しい

物語の途中、妻が回想シーンとして何度か出てくる。

その時の音楽や映像は非常に美しい。

急に灰になってしまったり、お腹から血を流したり、強烈なフックとなっている。

これほど愛している妻は最後どうなってしまったのか?

この悲しみの回想シーンの事実を知ったとき、物語の悲劇に絶望するのである。

 

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