※この記事には作品の感想(ネタバレ)が書かれておりますのでご注意ください。
冒頭から独特の世界観に引きずり込まれる『ドニー・ダーコ』。
様々な伏線があり、1度目では気づかない点なども多い。
この作品を完璧に理解するには様々な知識が必要となる。
例えば、物語の設定で作れた「タイムトラベルの哲学」という架空の書籍である。
これは『ダニー・ダーコ』の公式ホームページなどでみることが出来る。
ただ、そこまでしなくても十分楽しめる映画である。
作品と肌が合えば何度も観ればよいし、公式ホームページで「タイムトラベルの哲学」をチェックするとよいだろう。
ただ、普通はなるべく一回で楽しみたいはずだ。
そこで、一回だけでもここだけ知っておけばよいというシーンを解説したいと思う。
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ラストだけでOK
ラストのタイムトラベルだけ理解すれば『ドニーダーコ』は楽しめる作品だ。
前半でドニーの部屋へ飛行機のエンジンが墜落する。
ドニーは外出していたので、たまたま助かるのだ。
そして、助かった結果、恋人のグレッチェン・ロスと出会う。
2人は恋人となり、様々な思い出を作っていく。
しかしハロウィンの夜、恋人のグレッチェン・ロスは車に轢かれてしまう。
世界の終りとは?
うさぎに告げられる「世界の終り」とは、世界が滅亡するなどではなく、グレッチェン・ロスの死を意味していたのである。
グレッチェン・ロスがいなくなった世界は、ドニーとって終わりなのだ。
また、その翌日にはドニーの母と妹が乗った飛行機が墜落してしまう。
愛する恋人と、愛する家族を失った世界こそ、ドニーの世界の終りなのである。
そんな中、ドニーは飛行機の事故によって作られた時空の歪みを見つける。
それこそタイムトラベルができる現象だったのである。
ドニーが選択した事は?
タイムトラベルによって過去に戻ったドニー。
日付は飛行機のエンジンが家に落ちる日であった。
この日を知っているドニーは前回は外出して回避した。
しかし、今回は・・・
部屋に残って、自ら死を選ぶのであった。
これにより、自分と出会わないグレッチェン・ロスを救うことができる。
ドニーと付き合って、車に轢かれることが避けられるのである。
また、放火を犯すことでドニーの母は妹と飛行機に乗ることになる。
しかし、ここでドニーがいなくなれば、放火を犯すこともなく、母と妹も飛行機に乗る事はなくなる。
他にも細かい「救い」がたくさんある。
つまり、ドニーが自ら死を選ぶことで、多くの人が助かるのである。
ドニーは未来で自分と関わる人の結末を知っているので、エンジン墜落を受け入れるのだ。
この様に、ドニーの自己犠牲によって愛する人達が助かるという感動的な作品なのだ。
このラストまで、ドニーはサイコ的なキャラクターなので、このギャップが「どんでん返し」なのである。
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