※この記事には作品の感想(ネタバレ)が書かれておりますのでご注意ください。
目覚めると立方体の部屋の中にいた・・・
隣の部屋をみても、同じような立方体・・・
これが無限に続く・・・
この時点で、もう面白い。
部屋のデザインも無機質な感じとテクノロジー的な雰囲気で素晴らしいし。
しかも、部屋ごとに色やデザインが少し異なる。
おしゃれな部屋なので、1時間くらいコーヒーを飲みたくなるような作りだ(笑)
しかし、閉じ込められたらたまったもんじゃない。
出口の手掛かりがない立方体に1日いたら気が狂ってしまうだろう。
そしてもう一つ重要なのが部屋によって『罠』が仕掛けれれている点だ。
この『罠』によって、死に至る。
冒頭に登場する男は、切れ味のよい『網』で体をバラバラの立方体(キューブ)にされる。
最初の罠で、恐怖・残忍性・ミステリアスを映画のタイトル(キューブ)で表現する。
監督と脚本を務めたヴィンチェンゾ・ナタリはセンスの塊である。
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あらすじと感想
気づいたら立方体の部屋に閉じ込められている男女6人。
誰に入れられたのか?目的は何か?全てが不明。
靴と作業着のみが与えられ、ノーヒントで出口を目指さなければならない。
閉じ込められたメンバーの1人レンは、脱獄のプロ。
なんと7つの刑務所を脱獄した経験を持つ。
作業服のボタンを舐めて、喉の渇きを防いだり、靴と靴ひもで罠を見破ったり、頼もしい人物だ。
このレンを中心に力を合わせて出口に向かう話か?と思っていると、早々に罠で死んでしまう。
この「期待」と「裏切り」の波がどんどん大きくなっていき、常に緊張感が漂うように作られている。
次に警察官である黒人のクエンティンがメインとなる。
やはり警察官だし、リーダーシップもあって頼りになる存在だ。
しかし、実はかなり乱暴な男で、残忍な性格だったのだ。
この何度も訪れる「期待」と「裏切り」によって、立方体の恐怖、犯人の恐怖、メンバー人間関係の恐怖と、様々な角度から「恐怖」を投げかけてくるのである。
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犯人の目的は?作った理由は何?
メンバーの一人であるワース。
ワースは冒頭から無気力で、非協力な態度を取るキャラクターだ。
しかし、中盤になると驚くべきことを告白する。
なんと、この施設の外壁を設計したというのだ。
つまり、これを作った側の人間だったのである。
それによると、作りたかった人が作っただけであり、施設自体『意味はない』という。
ワースのように、パーツ単位で発注し、誰もその目的がわからないのだ。
悪意もない、敵もいない、恨みもない、目的もない。
しかし、出来上がった以上『使わなければならない』。
それだけの為に、メンバーがここに入れられたのである。
この無機質な感じが、めちゃくちゃ怖い。
「お前たちは生に感謝していないから、このキューブの中で頭を冷やせ」というのではないのだ(笑)
目的やメッセージ性が何もない・・・
施設が出来上がったから、ただ入れてみただけ・・・
恨みとか、何の目的もないという無機質な恐怖が完璧に表現されているのである。
精神障害を持つカザンのみが助かるラスト
途中からメンバーに加わるカザン。
カザンは精神に障害があり、赤色が嫌いだったり、終始落ち着きがなかったり、メンバーの足を引っ張る役割だ。
しかし、実は数学の天才であり、部屋に記載されている数字の因数の数を瞬時に計算することができるのだった。
それにより、目的の部屋まで辿り着くことができるのである。
しかし、出口は目の前というところで、狂気に走ったクエンティンにつかまる。
何と最後まで生き残った、ワースもレブンも殺されてしまうのだ。
そして、カザンだけが出口に向かうことになる。
出口では光に包まれるカザンが写されて終幕するのであった。
一体カザンはどうなるのか?
もし、出口があっても生き残ることが出来るのか?
こういった余韻を残して、エンディングを向かえるのだ。
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