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※この記事には作品の感想(ネタバレ)が書かれておりますのでご注意ください。

1970年代という魅力的な時代を完璧な俳優陣で料理した極上の作品が『ナイスガイズ!』である。

ラッセル・クロウとライアン・ゴズリングのコンビがとにかく絶品!

ラッセル・クロウの見るからにタフな風貌は、まさに1970年代の示談屋という感じ。

とにかく腕力でゴリゴリ進めていき、不器用に生きていく様がスグに伝わってくる。

そして、その相方となるライアン・ゴズリングも最高だ。

酒浸りの頼りない父親なのだが、女好きでありファッションはカッコイイ。

この水と油のような2人が手を組み、紆余曲折しながら事件の真相に迫っていく極上のエンターテイメントムービーなのである。

 

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暴力を緩和させるセンスが凄い

本作は様々な要素が盛り込まれている。

ミステリー、バイオレンス、ヌード、コメディ。

これらが相乗的に調理さていく過程が素晴らしいのだ。

特に暴力シーンなどはコメディのセンスが抜群。

ギリギリのラインを攻めてくるので、フワフワした笑いにはならず、シリアスとコメディをしっかり両立しているのである。

また、展開によってはシリアスのみで表現されることもあり、やはりこのバランス感覚に引き込まれてしまうのだ。

 

ジョン・ボーイ

「とんでもない殺し屋が狙っている」という情報をキャッチする主人公の2人。

その殺し屋の名前がジョン・ボーイという。

1970年代であり、どんなに怖いギャングなのか?と少しずつ視聴者は想像していく。

残虐な殺し屋を登場までの数十分間イメージするのだが、登場したのはイケメン俳優マット・ボマー。

なんだ、この期待の裏切りは(笑)

この演出は卑怯である。

 

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息の合わないコンビ(笑)

この様に、「期待の裏切り」によって笑いを引き出すテクニックを随所に取り入れている。

なかでも、主人公2人が全然コンビプレー出来ないのはかなり面白い。

例えば、ラストでジュディスの秘書タリーと戦うシーンは見事である。

主人公2人に拳銃をつきつけるタリー。

2人はわざと言い争いをしタリーの気をそらそうとする。(ように視聴者には見える)

気がそれたタイミングでヒーリーの足に隠した銃を取ろうとするのだがない。

そう、ヒーリーが足に銃を隠しているのはホランドが見た夢だったのだ。この絶妙な感覚が素晴らしい。

そして、そのすぐ後にホランドの娘であるホリーが来てポットのコーヒーをかけるのだが、これも冷めていて効果なし。

結局そのコーヒーに滑って自爆するタリーであった(笑)

 

アメリアと母に振り回される

本作の黒幕はアメリアの母であるカリフォルニア州司法省長官ジュディス・カットナー。

ジョン・ボーイや、秘書のタリーなど、様々なラスボス的なキャラがいるのだが、娘の命を狙う母という意外性を演出している。

アメリアは「母に命を狙われている」と言うが、視聴者は「そんなバカな」という感じで進んでいく。

そして、母からみればアメリアは何かの陰謀に巻き込まれていると思っており、そのボディガードを2人に頼むわけである。

アメリアを見つけて守ろうとする2人だが、すぐに逃げてしまう。

このアメリアの行動にイライラするのだが、なんとアメリアの主張こそ正しいものであり、母が悪党というのは少し強引だが意表を突かれる。

こうして、息の合わないコンビが実は政府の陰謀と戦っていたという構図が出来上がり、ここでもシリアスとコメディの絶妙なバランスを体感できるのである。

アメリアが正しい側だったという視点で、もう一度見てみると新しい面白さがあり、また違った感じ方ができると思われる。

1970年代の音楽や、映画のパロディなども登場し、昔からのファンも楽しめる作品である。

 

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